アマゾンのAI食料品店『Amazon Go』は店舗ビジネスのパイオニアになる?!

公開日: : ビジネス

AIを活用したリアル店舗は、1995年から約10年かかったオンラインショッピングのアマゾンよりも、はるかに早く開発が進み、5年後ならほぼ100%確実にAI店が世界の主流になります。
喰われる側に残された時間はあと5年。


AI活用のAmazon Goとは

世界からレジが消える

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を電子版によると:

アマゾンが、完全自動のレジのないAI店が現在は数店舗で実験していた全米に2000店舗の食料品店をオープンする。

 

Amazon Go(食料品のAI店舗)』は、実験されているAI店の3つのフォーマット(店舗類型)のひとつのです。日本語では店舗フォーマットを「業態」と言っています。これは商品ではなく、販売と経営管理による分類です。

例えばコンビニは、食料品、飲料、雑貨を扱っています。
食料品店ではない。「コンビニ」という販売方法の業態です。

店舗面積は150平米(約30坪とコンビニ並み)

では、実際の購入方法をシュミレーションしています。

  1. 選 ぶ:棚に、陳列された腐らない食料品の中から自分が欲しい商品を選びます。
  2. 決める:顧客が自分で選んだ商品を手に取ります。
  3. 決 済:電子マネーでスマートフォン内の「仮想バスケット」から代金が引かれます。
  4. 戻 す:もしも欲しくなくなった商品は棚に戻すと、チャージが解かれます。

 

改札口のような自動チェックのレーン

レジはなく、改札口のような自動チェックのレーンが並んでいます。30坪の店舗面積ですから、陳列商品はセブン・イレブン並みの1600~1700品目くらいなるようです。

買物を終えた人は、レジに並ぶことがないようです。
2000年代の顧客価値になっていて、求められている「3~5分でのショートタイムショッピング」が、人的なコストなく実現します。

現在は、シアトルにあるアマゾンの本社内で、社員向けの店舗として実験中です。
30坪の小型店ではなく、150坪や500坪の大型店も、同じAIの仕組みで作ることができます。

 

リアル店舗のレジコストは売上比2.8%

一般に、食料品スーパーで、8時間労働のフルタイム換算で33人の人が働いているとすると(年商10億円の店舗:1人あたり売上3000万円)、レジ担当はその35~45%です。

10人から15人がレジ担当です。

店舗段階の人件費比率は、売上の7%(7000万円)くらいなので、レジの人件費はそのうち約40%(2800万円)でしょう。

8時間労働で1人あたり230万円の賃金です。店舗作業員の賃金は、日米ともに大差はありません。伝統的なスーパーより、店舗の人件費コストが売上対比で2.8%は低くなります。

店舗の人件費コストだけではなく、AI化で削減されるコストは、他にも売上の2.2%くらいあるとアマゾンは試算しています。

 

 ソフトは無限複製ができる

2000店×1000万円=200億円

AIの追加費用はかかりますが、そのソフトは、無コストで無限複製ができます。

現在の開発費は大きいでしょうが、「Amazon Go」の店舗を増やせば、アプリケーションの1店あたりコストは、どんどん低くなっていきます。

最終的には1店舗1000万円程度には下がるでしょう。

 

AI書店も

書店であれ食料品であれ、AIを活用する方法はまったく同じ

アマゾンは書店分野でも、AIを装備したリアル店舗を、マイクロソフトの牙城シアトルですでに稼働させながら、実験を重ねています。

これも400店の展開計画があるようです。

 

オンラインショッピングは5~10年で普及

アマゾンが、インターネット上の仮想店を始めたのは1995年でした。

先行していたアップル製品のように、マウスをクリックすることでコマンドを打ち込む手間が自動化されたWindows95が出たころです。

開始から5年後の2000年に大きくブレークし、リアルのチェーン店(バーンズ&ノブルやボーダーズ:両社とも700店)を駆逐して行きました。

アマゾンも2000年頃は物流センター投資で赤字でしたが、株価時価総額はすでに数兆円に高騰していました。

現在の時価総額は$3727億(約37兆円)で、トヨタ自動車($1800億:18兆円)の2倍です。

株価の時価総額は、投資家による企業価値の評価です。とんでもなく高く評価されています。理由は、将来利益が数十倍に大きくなるという期待からです。

AI店舗は、1995年から約10年かかったオンラインショッピングのアマゾンよりも、はるかに早く開発が進みます。

アマゾンが作ったAI店が世界各地に現れるのは、2年後と想定しなければならないかもしれません。5年後なら100%確実です。2年後(2019年~)の可能性は60%でしょうか。

 

これからの5年で起こる大変革

アマゾンの登場で、伝統的なリアル書店のチェーンが倒産に追いやられたような変化は、最長でも5年後には起こるとアマゾンは分析しています。そうすると、この影響は日本にも及ぶことは必須であり、今から、AI店導入の対策を立てておかなければ時代に追いついていけないようです。

 

AI店での買い物の流れ

食料品のAmazon Goや、AI書店では、バーコードのついてないパンを自動識別できるセンサーが、天井のカメラで棚を常時、見ています。

入店時に、スマートフォンに表示したバーコードで本人認証を行います。

それが盗難されたものでないことを証明するためです。

ある食料品のパッケージが棚から取られると、商品名、価格、数量を、顧客のスマートフォンにWiFiで送りながら、スマートフォン毎の「仮想ショッピングバスケット」を、本部のクラウドの中に自動生成します。。

顧客が商品を選んで、レーンのようなレジか、空港の金属探知機のような囲い(顧客の目からは見えないようにできる)を通ると、買い物の完了です。

 

AI店が成功する条件とは?

こうしたAI店が成功する条件として、リアル店舗に対する設備コストと維持コストの低さがポイントになります。

コスト率が低ければ、商品価格を下げることができ、商品価格が平均で5%下がると売れ数は増加するからです。

直感的な概算ですが、AI食料品スーパーの店舗段階の総コスト率は、さらに5%下がり、売上比で10%から15%にできようです

コンビニでもやはり5%下がり、10%でしょう。その分、安く売ることができるということです。平均5%も安く売れる店舗は売上が増えます。

食料品スーパーでは、今、都市部型の小型店(150坪:コンビニの約5倍)に出店のチャンスが大きい。都市部にコンビニ(5万4000店:2016年)やドラッグストア(2万店:2015年)が増えている理由は、高齢化で「住まいの都市部回帰」が生じているからです。

都市の中心部では、400坪や500坪の大型店は、敷地と駐車場の課関係で、可能な立地が限定されています。このため、せいぜい150坪店になります。これが不足しているので、コンビニとグロサリー併設型のメガドラッグストアが増えているのです。

Anazon GoのようなAI店化によって、今は400坪クラスと大型である食料品スーパーでも、圧縮した150坪店を作ることができる可能性が高くなります。

 

AI化は店頭在庫管理と補充にも使える

Anazon Goの在庫管理システムがどうなっているか、当然に極秘です。しかし、ディープラーンニング型のAIが持つ商品の自動識別機能を使うと、生鮮の店頭在庫管理(鮮度管理)と商品補充にも使うことができます。

生鮮の棚の上に、商品識別器を設置する。店舗の監視システムのようなイメージです。

[カメラで棚を写す]
   ↓
[画像情報から商品、展示数、売れ数、鮮度切れをリルタイムで認識させる]
   ↓
[そのデータをWiFiで、地域プロセスセンターに送信する]
   ↓
[店舗別、棚別の補充必要数を自動計算する]
   ↓
[商品毎に、必要補充数数と補充時刻を決定する]
・補充数=(リードタイム)×売れ数予測数+安全在庫数
・売れ数予測では指数平滑を使います
・天候やイベントなど、その商品の売れ数に影響ある要因も数値化
(売れ数予測=指数平滑数±売れ数要因1の加味±売れ数要因2の加味……)
   ↓
[プロセスセンターで配送車に積み付けする]
   ↓
[該当店舗に配送する(2022年からは小型の配送車を利用)]

これら7ステップが「AIサプライチェーン」です。DCの倉庫内も完全自動化ができます。現在のAI技術で可能です。

ほぼ5年後には、「AIサプライチェーン」に接続されたAI店が、日本でも増えるでしょう。

コンビニが最初に行うでしょう。

セブンイレブンは、システムの開発費に数百億円(600億円)をかけてきたからです。次がメガドラッグストア、食料品スーパーなどの順番でどんどんAI化の波が押し寄せます。

ロボット化により削減された人員の働き口は何が残るのでしょうか?

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