すべては投資で出来ている~カリスマ・ファンドマネージャーが明かす投資術

公開日: : お金

今、どんな株を買えば儲かるのか、最新の情報を聞きに大手証券会社が開く資産運用フェアに2日間で1万人が押し寄せました。


 

100万円が4年で2倍に~驚きの資産運用「ひふみ投信」とは?

一方、ひふみ投信の運用報告会を覗くと、なぜかテントをバックに、トランプではなくキャンプの話題。壇上で「トランプだろうがなかろうが、キャンプはする。『明日からキャンプをやめよう』とはならない。そういうものに投資をする」と語っているのは、レオス・キャピタルワークス社長、藤野英人さんです。

こういう波乱含みの相場では、あえて流れに乗らない投資の方が良い。

実はこの日の来場者は、ほぼ全員が藤野さんに自分の資産運用を託しているようです。藤野さんの会社が販売する、ひふみという投資信託です。

投資信託はファンドとも呼ばれている

個人投資家がファンドマネージャーと呼ばれるプロに運用を託す金融商品のことです。

藤野さんはひふみ投信のファンドマネージャーです。数ある投資信託の中から選ばれるR&Iファンド大賞(国内株式部門)を、2012年から4年連続で受賞しています。資産運用のカリスマと呼ばれている人です。

投資家のひとり、

福森さんは4年前に113万円をひふみに投資し、現在は246万円に。4年で倍以上に増えた。2008年9月を100としたときの日経平均株価169に対して、ひふみの運用実績は368になる。福森さんは娘の学費を、ひふみを一部売却した利益でまかない、無事、大学にも合格させることができた。

 

藤野英人(ふじの・ひでと)1966年、富山県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、野村投資顧問(現野村アセットマネジメント)入社。1996年、JPモルガン・アセット・マネジメント入社。2000年、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント入社。
2003年、レオス・キャピタルワークス創業。

 

ひふみ投信はどこで買うことが出来るの?

ひふみ投信は証券会社や銀行、ネットなどで買うことができます。

例えば、千葉興業銀行船橋支店で取り扱っている投資信託はおよそ100種類です。その中でもひふみはダントツの人気で、客の3割が購入すると程です。

その秘密は、「相場全体が下がっていても下がりにくい。そこからまた上がっていくので、パフォーマンスに差が出る」(マネープランナーの小野美幸さん)という特徴にあるようです。

実際、年末から日経平均は下落したが、ひふみは上がっている。もちろん投資信託に元本保証はないが、人気の理由はそんな実績にあるようです。

東京・千代田区にあるレオスの本社は、社員およそ50人、年商約9億円。こぢんまりとしたオフィスだが、ここで顧客から集めた2000億円にのぼる資金を運用しています。

毎朝、開かれる会議では、藤野さんを支えるアナリストたちによる、目を付けた企業の情報交換が行われます。

この日は、最近知名度を上げているあるベンチャーについて、「急に広告を打ったり、思いつきっぽいところがある」(運用部シニアアナリスト・栗岡大介)、「突然だったでしょう、去年のお金の使い方も」(同・八尾尚志)、「そういう会社の体質なんじゃないかという気がする」(藤野)……といった会話が。辛口の言葉と共に、矢継ぎ早に企業を品定めしていく。

投資信託は、個人投資家から集めた資金を値上がりしそうな企業の株へ、いくつも分散投資している仕組みです。このポートフォリオと呼ばれる保有株の組み合わせ方こそ、ファンドマネージャーの腕の見せ所です。

現在130社の株に投資しているひふみ投信。しかし、そのポートフォリオに並ぶのはかならずしも大企業ではありません。実はそこに藤野さんが驚異的な実績を上げられる秘密があるようです。

 

 資産運用のカリスマに密着

大儲け生む”お宝企業”探し

宮崎市郊外の国道脇を歩く藤野さん。大きなリュックを片手に、最も重要な仕事という会社訪問にやって来た。それにしても随分と遠い。でも、これも会社を知る要素だという。

「多少離れていても、本社は地代が安いほうがいいという考え方ではないかと思います」
ようやく見えてきた本社の建物だが、本社なのに看板もない。一方、この会社の名前は国道沿いなどで見ることができる。その名も「WASHハウス」。九州を中心に約350店を展開する、年商31億円のコインランドリーチェーンだ。店内の端末で様々な情報が得られるなど、ユニークな店づくりで成長しています。

狙うのはこういった知られざる地方企業だそうです。

藤野は2016年11月、東証マザーズに上場したばかりのWASHハウスの将来性を品定めにやってきました。

まずは最初に現れた女性と名刺交換。すると、その名刺をしげしげと眺め始めた。
「名刺は会社の個性を表します。どういうロゴか、何が書いてあるのか。裏にたくさん思いを書いてある会社もあります」

企業を見る上で最も重要な要素は経営者

今後のビジネスについて話し始めた児玉康孝社長。本社に看板がないのは、「看板を出すとお客が洗濯しに来ちゃうから」と言う。藤野の目が吸い付くようにその様子を観察する。ちょっとした気配りなど、経営者の一挙手一投足が将来性を判断する材料になるという。

 ひとしきり話した児玉社長、自慢の場所へ藤野を案内しました。店舗を管理するモニタールーム。WASHハウスは人手が必要ないのがウリだという。すっかり感心した様子の藤野。
「これはいいなと興奮しました。謙虚と自信がよく混ざった方ですね。社長の中で明確に『全国展開して成功する』という青写真が描かれている。もちろん一本調子ではいかないと思いますが、これから地方で大きく伸びる経営者の典型かなと思いました」

知られざる未来の成長企業を誰よりも速く見つけて、株を買い付け、大きな利益を上げる。そのためには足を運ぶことが最も重要だという。

藤野さんは言います、
「インターネットで得られる情報は個人もプロも変わらない。プロがどこで差別化できるかというと、インターネットにない情報をどれだけ取れるかだと思います」

こうして探した成長が見込めそうな会社の株を、ひふみに集まった資金で買い付けていく。

WASHハウスの株は、社長と親族の会社につぐ、第3位の大株主になるほど買い付けていた。実に全株式の9%以上、投資額は15億円に上ったそうです。

 

企業の成長に大きな役割~「夢のある投資信託」とは?

そんな藤野さんはもともと大手投資会社で凄腕ファンドマネージャーとして活躍していました。

「外資系は給料がよかったので、給料だけ考えたらそこにいたほうがよかった。でもお金だけではなく夢があって、日本には投資を伝える場がない、そういう商品がないな、と」

個人の投資資金で将来有望な企業を成長させる

藤野さんはそんな投資信託を作ることを決意して、2008年にひふみ投信を立ち上げました。

実際、ひふみに集まった資金は企業の成長に大きな役割を果たしています。

藤野さんが投資を行ってきた、富山市の朝日印刷。案内された印刷機で刷っていたのは、おなじみの頭痛薬のパッケージ。高性能な印刷機を揃えているからいい仕事が舞い込む。投資してもらった自由に使える資金があって初めてこんなマシンも買えるという。

 積極的な設備投資により医薬品のパッケージでトップシェアとなった朝日印刷。年商は349億円と、藤野が最初に投資した20年前に比べて倍に増えている。

 取締役の広田敏幸さんは、
「藤野さんが最初に来たのが工場。なかなかそういう投資家はいらっしゃいません。とてもありがたいです」と語る。

 大チャンスを狙って、藤野がびっくりするような企業の株を買っていた。

それがあの大塚家具。藤野はお家騒動以来低迷している大塚家具の株を、ひふみで買い付けていました。大塚久美子社長への期待だという。

「いろいろなイメージがあると思いますが、お父さんと同じくらい家具への愛情がある。長期的に見れば回復して前よりも良くなると期待しています」と言う。

その大塚家具のショールームに人だかりが。そこには久美子社長の姿もあった。集まっているのはひふみの投資家たち。企業を知ってもらうため、藤野が開いている見学会だ。

藤野さんは、投資家が不安を感じる企業なら、その社長に直接引き合わせることまでして納得してもら考えのようです。

 

ブレイク企業を発掘せよ~全国6000社を見極める極意

デパ地下でひときわ美味しそうな総菜を並べる「RF1」。運営するのは年商500億円に迫るロック・フィールドです。

実はこの会社がまだ小さかった20年前、藤野はその将来性に気づき株を買い付けた。その後の急成長で株価は4倍。巨額の利益をたたき出しています。

当時、訪ねてきた藤野のことを、岩田弘三会長兼社長は今も覚えていた。
「しっかりと現地を見て、うちの社員にヒアリングして、言いたいことも言われる。指導してもらったことは、今日の我々の基盤になっている。藤野さんが投資してくれたのはありがたいと思っています」

一方、かわいい雑貨や実用品が全て100円で買える100円ショップの「セリア」。

最近都内でも急増、今や全国に1400店舗を構える。このセリアの株も、藤野はまだ知名度の低かった6年前に購入している。岐阜県で創業したセリア。現在の株価は藤野が買った当時の24倍に達するようです。

 河合映治社長は「期待を超えるからこそ株を買ってもらえる。最終的には6000店舗までいきたいと思っています」と語っています。

そんな独自の観察眼で、藤野さんは全国に隠れる未来の大ブレイク企業を見分けてきました。この25年、成長を見届けた企業は膨大だという。分厚い資料の束は全て藤野さんが出会った会社のものです。

 

その数は6000社

その中には、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長のような現在の有名経営者もいます。訪問した当時のユニクロは広島で上場していた中小企業でした。

 

すぐれた経営者は会えば分かる

藤野さんは、若き柳井社長は強烈な印象だったという。
「話の聞き方が、全身を耳のようにして聞かれているな、と。禅僧、お坊さんみたいだと思ったんです。ただ者ではないなと思いました」

藤野さん曰く、ずば抜けた成長を見せる経営者は、会えば必ずわかるそうです。
だからこそ企業を回る努力でライバルに差をつける。

ファンドマネージャーとしては珍しいそんなやり方を藤野さんが始めたのは、ある出来事がきっかけだったそうです。

それはまだ大手投資会社にいた駆け出しの頃。当時、まだ中小の家具店だった大塚家具が東京の台場に巨大なショールームを作る計画を進めていた。藤野は、創業者である大塚勝久社長(当時)に魅せられ、投資を検討していたのだが、就任した青島幸男知事が、そのエリアで予定していた世界都市博を中止にしてしまう。

藤野さんの投資計画に誰もが異議を唱えた。開発がストップすれば、間違いなく台場はゴーストタウンになる。そんな場所のショールームに客なんて来るはずはない……。

藤野さんは迷い、開通したばかりのゆりかもめに乗って何度も足を運んだ。するとある帰り道、驚くような光景が対岸に広がっていた。それは東京の美しい夜景だった。
「湾岸の風景はロマンチックで、地域そのものが人気になると自分で感じた。結果的にオープンしたら大ブームになって、株価は3倍になりました」

そんな経験以来、藤野は自らの足で現場を回るようになったそうです。

 

世界は投資でできている

カリスマが説く投資の薦め

ここ数年、増え続けている海外からの観光客。リタイア後のシニアの姿も少なくない。彼らに話を聞くと、海外への旅費は投資で儲けた金だという人も多いようです。

日本のシニアの老後の貯えは預貯金が中心

「家族が株や土地投資で失敗したのを見ているから、投資という考えにならない」と言う人も。家計金融資産に占める投資の割合は、日本の15%に対してアメリカは51%になる(日本銀行「資金循環の日米欧比較(2016)」より)。

 

リスクを取らず、堅実さを好む日本人

藤野さんは、そんな日本人の価値観、いわゆる清貧の思想に疑問を抱いている。

ある日、東京証券取引所を訪ねた藤野さんは、講義を始めた。スクリーンに映し出したグラフは、投資に消極的な日本の家計資産がいかに増えていないかを示したもの。アメリカ、イギリスではこの20年間に家計金融資産が約3倍になっているのに対して、日本は1.5倍にすぎない。

実はこの講義を聞いているのは高校の教師たち。藤野は「学校の先生に伝えるということは、学校の先生を通じて子どもたちに伝えることができるということ。効率がよくパワフルだと思います」と語る。

藤野さんは、「投資に消極的な日本人の価値観こそが社会に閉塞感を与えているのではないか」と考えている。

「『投資は悪』『お金は汚い』と思う人が多いのはとても残念だと思います。なぜなら、僕らはすべて投資で成り立っているからです。株式投資も投資のひとつですが、このスタジオのテーブルも、誰かがどこかでリスクを取って工場を建て、従業員が作って、ここにあるわけです。僕らは誰かがリスクを取って投資をして作られたものによって成り立っているのです」

損するリスクを恐れず投資をしなければ未来は良くならない。

藤野さんはそう信じて、自らも投資を続けているそうです。

 

まとめ

日本型で日本生まれのファンドマネジャー

農耕民族の日本人が外資系で技術を磨き、新しい思考習慣と日本的価格を武器にして、活躍している藤野さんの姿は、今後の新しい投資スタイルの礎になるように思います。

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