今月14日から、米国で食品医薬品局(FDA)が緊急承認を出した、ファイザー・バイオンテック社のコロナウイルスワクチンの接種が開始しました。
米政府は、医療関係者や介護施設の入所者などを優先対象として、年内に2000万人の接種を目指しています。
ファイザー社ワクチン日本初の特例承認申請!
またファイザーは、コロナウイルスのワクチンの日本国内での使用に向け、今月18日、厚生労働省に承認を求める申請を行いました。
審査を大幅に簡略化する「特例承認」の適用を求めているということです。
コロナウイルスのワクチンの国内承認申請が行われるのは初めてです。
米ファイザー社会長兼CEOアルバート・ブーラ
「ファイザーの企業目的は“患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす”です。
当社の171年の歴史において、非常に多くの人々がCOVID-19に苦しみ続けている今ほど、ブレークスルーがすぐに必要だったことはありませんでした。
米国の企業として、今日のニュースは大きな誇りであり、深刻なパンデミックの終結に貢献する可能性のあるワクチンの開発に挑み続けた私たちにとってかけがえのない喜びです。
不可能を可能とするために、Science Will Win(科学で立ち向かう)という揺るぎない信念で辛抱強く取り組みました」
FDAの決定
FDAの決定は、先月の発表(日本語はこちら)と、The New England Journal of Medicineに今週掲載された主要な国際共同第3相試験のデータを含む、両社が提供した包括的な科学的エビデンスに基づいています。
国際共同第3相試験では、2回目接種7日後から評価したSARS-CoV-2感染歴のない参加者の集団(1つめの主要評価項目)、SARS-CoV-2感染歴のある参加者と感染歴のない参加者を含む集団(2つめの主要評価項目)の両方において、ワクチンの有効率は95%でした。
外部データモニタリング委員会(DMC)から、現時点でワクチンに関連する重篤な安全性の懸念は報告されていません。
また、有効率は年齢、性別、人種・民族で一貫していました。長期的な予防効果と安全性を評価するために、すべての治験参加者の評価を2回目接種から2年間継続します。
製造および輸送能力
ファイザーとBioNTechは、各国で許可または承認が得られた際に供給計画に従ってワクチンを最も必要としている人々に速やかに届けられるよう、各国でワクチンの供給を担う政府や保健当局と協業を続けています。
両社は、高品質で大量のワクチンの迅速な増産と供給を実現するために高い製造能力と輸送力、BioNTechの10年かけて培ったmRNAの製造に関する専門性を活用しています。
ファイザーは、革新的な医薬品やワクチンを必要な患者さんにお届けするための研究、開発、製造および供給に関する171年の実績を有しています。
ファイザーとBioNTechは、米国の人々にワクチンを確実に届けることができます。
現在、両社の製造ネットワークにより、2020年に世界で最大5000万回分、2021年末までに最大13億回分のワクチンを供給できると見込んでいます。
国内での今後の展開は?
ファイザー社(NYSE:PFE)およびBioNTech SE(Nasdaq: BNTX)は、規制当局の承認が得られた場合、1億2000万回分のCOVID-19ワクチンを2021年上半期に日本に供給することを日本政府と合意したことを発表しています。