うつ病 腸内細菌に関連性 欧州で大規模調査で判明!
「脳は腸によって作られている」と言われているくらいに大切な臓器です。
最近の研究でうつ病は腸内細菌に関連性があると欧州の大規模調査で判明されたネットで話題になっていますので、調べてみました。
目次
うつ病 腸内細菌に関連性 欧州で大規模調査で判明!

ちみにうつ病は英語でDepressionと言います。
さらについでにですが、”5月病”はThe May Bluesという言うのがニアンスが伝わりやすいようです。
それではまず、うつ病と腸内細菌の関連性から見ていきましょう。
うつ病と腸内細菌の関連性は?
腸内細菌について、研究を率いたベルギー・ルーベンカトリック大学(KU Leuven university)細菌学・免疫学部のイェルン・ラース(Jeroen Raes)先生 が1000人以上を対象に行われた研究の結果から、一部の細菌とうつ病の間に関連性があることが分かりました。
うつ病とは、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。
脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。
生命情報科学よる分析結果
生命情報科学(バイオインフォマティクス) に基づく分析の結果、研究チームは一部の細菌群とメンタルヘルスの間にプラスとマイナス双方の面での関連性があることを特定されました。
例えば...
うつ病と診断されている人の腸内には恒常的に、コプロコッカス属とディアリスター属の数が少ないことが研究より分かりました。
さらに、研究チームがこの結果をオランダで1063人を対象に行われた類似のコホート研究の結果と比較したところ、同様の結果が得られることが確認できたということです。
研究結果ではこの他、微生物叢に含まれる一部の細菌が、ヒトの神経系と関連がある分子を生成、または分解できる可能性があることが示されました。
調査対象者の一部の便サンプルの細菌DNAを調べたところ、腸内フローラは、うつ病の人に不足する神経伝達物質のセロトンニンやドーパミンといった分子を合成できる可能性があることが分かりました。
治療抵抗性うつ病の人の腸内フローラは、健康な人ほどこれらの分子を合成できないと見られています。
それでは、まずうつ病になりやすい人の特徴から見てみましょう。
うつ病になりやすい人の特徴は?
うつ病になりやすい性格
まじめで・責任感が強く・完ぺき主義で・人からの評価も高く・道徳観も強いく、人からの依頼を断れずに、たくさんの仕事をかかえ込んでしまったり、柔軟に臨機応変な対応が出来ずに自分を追い込んでしまったりします。
結局は、上記のような気質がもとでストレスをため込んでしまって、こころのバランスを崩してしまうこともあります。
とは言え、自分自身でも気が付かずにうつ病にかかってしまうパターンもあるので、気質だけの問題ではないような気もします。
なんだか、働き方改革という言葉が躍っている、今の日本人を象徴しているような感じの性格ですね。
うつ病の症状
次にうつ病の症状について見てみます。
特に途中で目が覚めると不眠がよく起こります。
さらに、不眠の状態が続くとうつ病が起こる可能性が高いこともわかっています。
やはり、適度な運動とよく寝ることは不可欠のようです。

また、食欲も落ち、体重が減ってしまうことがあります。
その他には、疲れやすい、口が渇く、便秘や下痢、めまいやふらつき、動悸、息切れといった、いわゆる「自律神経症状」を伴うこともよくあります。
うつ病 治療法は?
うつ病の治療には、3つの治療法があります。
- 休養、
- 精神療法、
- 薬物療法などがあります。
休養
休むことは悪いことではありませんし、「何かやらなければ」とあせることもありません。
休養をとることは、うつ病から回復するために非常に重要です。
精神療法
精神療法では、医師や臨床心理士との話し合いを通じて、これまでしんどさを引き起こしていた自分自身の考え方の癖や行動・人間関係のパターンを振り返り、それらを修正していくことで、よりスムーズな日常生活を送れるようにしていきます。
薬物療法
薬物療法がいいと判断された場合に適用しれます。
セロトニンやノルアドレナリンに作用する、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤)などの抗うつ薬が使われることがありますが、処方方法については、一人だけの医師に頼るのではなく、セカンドオピニオンを受けることも必要なようです。
さらなる研究の必要性
新たに発表された論文の筆頭著者であるルーベンカトリック大学(ベルギー)のイェルン・ラース教授によれば、今回の研究は腸内フローラに関して「ヒトを対象に実施された初の大規模な研究だ」。
教授は研究結果について、腸内で生成された神経活性化合物が、脳内に到達するのかどうかはまだ分かっていないようです。
血液脳関門を透過することはできるのだろうか?
脳に直接シグナルを送る腸内の迷走神経に、直接的に作用する可能性もあると述べています。
教授はさらに、「私たちが目指しているのは、特定の細菌を分離して動物モデルを使って培養し、それらが行動特性を引き出したり変えたりするのかどうかを確かめることだ。それが実現すれば次のステップは、うつ病の症状の改善に効果があるのかどうかを確認するための臨床実験となる」と語っています。
今回の研究には、いくつかの点で限界があります。
調査対象としたのは欧州の人たちだけ。
結果は欧米においてのみ適切なものと考えられいますが、対象者数が非常に多いことや採用した分析方法からみて、腸内フローラとメンタルヘルスに関連性がある可能性は高いと言えそうです。
教授はまだ明らかになっていないことが数多くあるとして、今後さらなる研究が必要であることを強調しています。
薬としての細菌とは?
治療可能だが衰弱性の疾患であるうつ病は、個人の行動や感情に影響を及ぼします。
「静かな流行病」と呼ばれることもあり、毎年世界で発生している約80万件の自殺の要因となっていると言われてます。
抗うつ薬は現在、多くの国々で最も一般的な処方薬となっていますが、ラース氏は自身のチームの研究が、うつ病に対するより賢明な新治療法の開発に向けた道を開く可能性があると指摘しています。
「ヒト由来の細菌を混合したものを治療薬として利用することは『薬としての細菌』とよく言われるが、ここに将来性があると私は本気で考えている」と、ラース氏は述べた。
研究チームは、腸内細菌500種類以上のゲノム(全遺伝情報)を調査し、一連の神経刺激性化合物を生成するための各細菌の能力を分析しました。
神経刺激性化合物は、脳機能に影響を与えることが判明している化学物質です。
その結果、さまざまな種類の精神機能に関連する化合物を生成する能力を持つ腸内細菌が数種類見つかりました。
まとめ
現時点では、腸内フローラを調節することがうつ病の治療法になると言えるだけの十分な証拠はありません。
腸内フローラは常に、食物繊維を多く含みます。