老け顔アプリFaceAppの創業者の起業家マインドがスゴイ!
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老け顔アプリFaceAppの創業者の起業家マインドがスゴイ!
老け顔アプリFaceApp創業者ヤロスラフ・ゴンチャロフ

老け顔アプリFaceApp創業者のヤロスラフ・ゴンチャロフ(Yaroslav Goncharov)は、かつてマイクロソフトでウィンドウズモバイルの開発をしていました。
その後、彼は仲間と共同で立ち上げた会社をロシア版グーグルヤンデックスを3800万ドル(約41億円)で売却し、莫大な富を手に入れましたが、ゴンチャロフがホントに成功したのは、この後に立ち上げた会社でした。
老け顔アプリ「FaceApp」とは?

40歳の彼が開発したFaceAppは、現在世界で最もホットであると同時に、最も物議を醸しているアプリです。
このアプリは、AIを活用したフィルターによって自撮り画像の人種を変えたり、老け顔にすることが出来ます。
Face App Challengeとは?
各国のセレブが自分の老け顔をインスタグラムやツイッターに投稿するFaceAppチャレンジに参加したことで、FaceAppのダウンロード数は数百万件を突破し、7月下旬には主要アプリストアのダウンロードランキングで首位に躍り出でました。
アデール
指原莉乃(サッシーおばーちゃん)
さしこおばあちゃん👵 pic.twitter.com/9flk2XZpil
— 田島芽瑠 (@meru_chan_07) July 28, 2019
ワンオクのTaka
しかし、FaceAppの人気が爆発した途端、ゴンチャロフがロシア出身であることから、ロシア嫌いの人々を中心にFaceAppがスマホに保存されている全ての画像にアクセスし、アメリカ人の顔データがロシアに流出しているといった噂が広まりました。
さらに、米国の上院議員がFBIに捜査を要請する騒動に発展しました。
これに対し、ゴンチャロフはプライバシー規約を見直し、透明性を高める改良を加えることで問題を解消しようとしました。
サンクトペテルブルクにあるWirelessLabの本社でインタビューに答えた彼は、「先日は約3時間の間に200回も電話が掛かってきて、業務に支障をきたした」と述べた上で、会社が危機モードからようやく回復しつつあることを明らかにしています。
現在のFaceAppの規約では、ユーザーが投稿した画像の所有権や、画像を編集したり、ユーザーに報酬を支払うことなく販売する権利を同社が保有すると定められています。
ゴンチャロフさん曰く、
「ユーザーは、我々の規約に記載されていることが実際に行われていると思いこんで恐怖を感じているが、そんなことは一切ない」
プライバシー侵害説はデマ?
FaceAppに投稿された画像は48時間後にアマゾンやグーグルのサーバから自動的に削除され、同社が商用目的で画像を使うことはないそうです。
画像をサーバ上に48時間保管する理由は、ユーザーが新しいフィルターを使うたびに新たに画像を投稿する手間を省くためだそうです。
コード自体はほとんど変わっていないが、現在はアプリを起動すると投稿した画像がクラウドに一時的に保管されることを確認する通知が表示されます。
「他のアプリは、我々よりはるかに多くのデータをユーザーから収集している。我々は何もしていない」
ゴンチャロフさん曰く
ゴンチャロフは、2000年初めにソフトウェアエンジニアとしてマイクロソフトでウィンドウズモバイルの開発に従事していました。
彼は世界初のオープンで大規模なスマートフォン向けOSの開発を通じて未来を作っていることに熱意を抱いていたという。
しかし、彼は故郷であるサンクトペテルブルクでスタートアップを設立することに大きな魅力を感じ、友人二人と共にSPB Softwareを立ち上げ、チーフ・テクノロジー・オフィサーに就任しました。
同社は、Windows Phone向けにホーム画面を開発していましたが、iPhoneやアンドロイドの台頭でWindows Phoneが凋落すると、事業内容の変更を余儀なくされました。
ゴンチャロフは、自身がマイクロソフトを去った後、Windows Phoneがアップルに対抗するためにクローズドなシステムに変更したことを嘆き悲しみ、「今でも当時のことを思い出すと胸が痛む」と語っています。
その後、2011年にロシアの検索エンジン大手Yandexが3800万ドルで買収を提案してきました。
ゴンチャロフは、会社の売却で手にした金額を明らかにしていませんが、彼はその後、ニューラルネットワークに興味を持つようになり、彼が特に関心を持ったのが、性別や髪の色をもとに、アルゴリズムを用いて顔を生成する技術でした。
「当時の技術レベルは低かったが、それでも魔法のようだった」と彼は話す。
その後、6ヶ月間に渡ってアルゴリズムを修正した結果、技術を格段に向上することに成功しました。
ゴンチャロフは2013年にYandexを去ると、自らのプロダクトを開発するようになりました。
最初に手掛けたのは、ホテルのWi-Fiをテストするツールで、一定の成功を収めました。
その後、2016年にFaceAppの開発に着手し、2017年にベータ版をリリースしました。
技術はまだ発展途上だったが、人をより美しくするhotnessフィルターが話題を呼び、大きな人気を博した。

数百万人のユーザーを獲得すると、ゴンチャロフはFaceAppのウォーターマークや広告を除去できる有料会員制度を追加しました。
FaceAppが目指したのは、AIを用いてフォトショップに代わるサービスになることだった。
株式の100%を保有
ゴンチャロフは外部の投資家に頼ることなく、株式の100%を保有したまま大きく事業を成長させることに成功しました。
彼は詳細なデータを示しませんでしたが...
2年前のサービスリリース以来黒字であり、売上高は順調に成長しているとようです。
「我々は非常に儲かっており、シリコンバレーの投資家から容易に出資を得ることができるだろう。しかし、当社は自前で成長するのに十分な資金を持っている」
ゴンチャロフによると、FaceAppの売上の99%は有料会員の会費で、1%弱が広告収益だという。
彼は、売上規模や有料会員数、ユーザー数について明らかにしていないが、有料会員数の比率が全体の1%程度であると述べています。
Google Playには、FaceAppのダウンロード数が1億回以上であると記されています。
AndroidとiOSのユーザーを保守的に見積もって1億人と仮定し、その1%が月額3.99ドルを支払っているとすると、同社の年商は少なくとも400万ドル(437億円)に達する計算になります。
まとめ
スナップチャットなどは、ライブフィルター機能を既に搭載しているが、ゴンチャロフは他社にはない、魔法のようなフィルターでなければリリースする意味はないと考えているようです。
ゴンチャロフさんはセントペトロブルグ大学でコンピュターサイエンスを学び、その後マイクロソフトにエンジニアとして就職します。
もともと優秀なエンジニアだったのでしょうが、エンジニアだけではなく100%持ち株でビジネスを運営する能力にも長けており、今後の活躍が期待されます。