こんにちはジョージ @orpelasです。
先日、「ヒトの老化は34歳、60歳、78歳で急激に進む⁉」というツイートをしたところ、意外にも反響がよかったので『ヒトの老化は34歳、60歳、78歳で急激に進む理由とは?』というタイトルでまとめてみました。
「最近ちょっと年取ったかも…」と思っている人に、是非読んで欲しい内容になっています。
こんな方にもおすすめ
- 老化を抑制するたんぱく質について知りたい
- 寿命を延ばすのに何が出来るのか知りたい
老化の反対に実年齢よりも若く見える人についての記事です↓
参考:実年齢より10歳若く見える人が好む食べと若く見える特徴とは⁉

ヒトの老化は34歳、60歳、78歳で急激に進む理由とは?
反響のよかったツイート
ヒトの老化は34歳、60歳、78歳で急激に進む⁉
スタンフォード大の研究で老化は一定のペースで継続的に進行しない。血中のタンパク質レベルでヒトの年齢を精緻に予測できる。表題年齢の1,2年前からタンパク質を増やすなどの対策が必要かも。日野原先生もコルナロも肉好き🙆♂️https://t.co/HkZynVIsUu
— ジョージ@筋トレ金森式ブロガー (@orpelas) June 20, 2021
ヒトの老化は34歳、60歳、78歳で急激に進む⁉
- スタンフォード大の研究で老化は一定のペースで継続的に進行しない。
- 血中のタンパク質レベルでヒトの年齢を精緻に予測できる。
- 表題年齢の1,2年前からタンパク質を増やすなどの対策が必要かも。
- ※日野原先生もコルナロも肉好き。
※日野原先生は105歳、コルナロは120歳まで長寿を全うしました。
この二人に共通するのは、お肉が好きだったことです。
参考:100才まで現役医師 日野原先生「うつぶせ寝健康法」やり方と治せる病気
参考:無病法 極少食の威力」ルイジ・コルナロ 102才まで生きた 長寿の秘密
それでは、本題に入って行きましょう。
老化は一定ペースで継続的に進行しない
スタンフォード大の研究チームは、ヒトの血漿タンパク質を分析し、老化は一定のペースで継続的に進行しないと発表しました。
米スタンフォード大のウィス➖コレイ教授らの研究チームは、18歳から95歳までの4263名から得た血液サンプルを用いて2925の血漿タンパク質を分析。
2019年12月5日、その結果をまとめた研究論文を学術雑誌「ネイチャーメディシン」に発表。
この研究論文によると、老化は一定のペースで継続的に進行せず、3つの世代で急激に進むことが分かりました。
その3つの世代とは、
- 34歳:青年期
- 60歳:壮年期
- 78歳:老年期
という3つのポイントで急激に進みます。
余談ですが、米スタンフォード大のウィス➖コレイ教授は血液研究のスペシャリストとして「若い血が年老いたマウスの体を再生させる」などの研究にも携わっています。
若い血には老化した細胞を復活させる力がある?
若い血が年老いたマウスの体を再生させる。ハーバード幹細胞研究所の研究チームは若いマウスの血中に多く含まれるたんぱく質「GDF11」が脳神経や筋肉細胞の再生能力を高めると発表。やっぱりドラキュラはホントだったかもね😅https://t.co/5aiTLWZjFi
— ジョージ@金森式筋トレブロガー (@orpelas) October 15, 2021
タンパク質は、細胞からの指示を実行する働きを担っており、そのたんぱく質の大幅な変化は、身体の変化を意味すると考えられています。
次に、「何が原因で急激に老化するのか?」を見てみましょう。
生理的老化は急激に起こる
研究チームは、2925の血漿タンパク質のレベルを測定し、そのうち1379のタンパク質レベルが被験者の年齢によって明らかに異なることを突き止めました。
はてな
血漿タンパク質(けっしょうタンパクしつ)とは、血漿の約7%を占めるタンパク質のことです。
また、被験者の年齢は、373のタンパク質によって、約3年程度の誤差で精緻に予測できます。
※生理的老化は、平均34歳、60歳、78歳の3つのポイントで急激に起こります。
※生理的老化とは、加齢のみの要因で不可逆的に生じる生体の変化のことをいいます。
多くのタンパク質は、一定のペースで増減したり、同じレベルを維持するのではなく突然上下に変動しています。
突然、上下に変動するのが、「なぜ34歳、60歳、78歳の3つの年代で起こるのか?」については、まだ解明されてないようです。
厄年との関係はあるのか?
この老化が進む年齢を見て、一番最初に思い出しのが厄年です。
厄年とは、日本などで厄災が多く降りかかるとされる年齢。科学的な根拠は不確実ですが平安時代から信じられている風習です。出典:Wiki
今回のスタンフォード大学の研究チームによると「老化は34歳、60歳、78歳で急激に進む」とあります。

厄年一覧表
34歳、60歳を上記の厄年一覧表と見比べて見ると、34歳は女性の後厄、60歳は男性の前厄ということになります。
なんとなく、該当するようなしないような感じですが、どちらの考えにも共通するのは、節目の年がヒトの身体にはあるということです。
年齢によって明らかに異なる1379のタンパク質のうち895のタンパク質は、性別によっても特徴が認められたとの報告あり、男性と女性で老化プロセスが異なることを示す成果のひとつとしても注目されている。引用元:naturalmedicien
男性と女性で老化プロセスが異なるとなると、厄年との関係もあるのかも知れません。
次に、具体的に老化を抑制するたんぱく質について見てみましょう。
老化を抑制するたんぱく質とは?
老化を抑制するたんぱく質の一つが「ルビコン」です。
2009年阪大教授(細胞生物学)吉森保先生のチームがルビコンは「オートファジー(自食作用)」という細胞内の新陳代謝のはたらきを抑えることを発見しました。
通常の状態だと、オートファジーは加齢とともに低下します。
ルビコンが加齢とともに増える
吉森先生のチームは、線虫、ショウジョウバエ、マウスを使って研究し細胞内でルビコンが加齢とともに増えていることを確認。
ルビコン抑制でオートファジー活性化
逆に、ルビコンを抑制したところ、オートファジーの働きは活性化された。
線虫・マウスでも効果確認
線虫などの寿命が延びたり、マウスの腎臓の機能が低下しずらくなった。
ここがポイント
加齢によるルビコンの増加が、オートファジーのはたらきを低下させ老化要因の一つとなっている可能性があります。
詳しくは、吉森先生の最近の著書で『ライフサイエンス(最先端の生命科学を私たちは何も知らない)』というタイトルはちょっと長いですが、この本にオートファジーとルビコンについて詳しく書かれています。
「最先端の生命科学を私たちは何も知らない」
著者は2016年ノーベル賞を受賞した大隈先生の弟子で「オートファジー」研究の専門家。「寿命を延ばす5つの方法(P288)」では生殖細胞の除去とあり驚きましたが説明が分かり易く納得しました。「LIFE SPAN」を読む前に読むと生命科学の理解が深まるかも🙋♂️ pic.twitter.com/1TC4H06O5B
— ジョージ@金森式筋トレブロガー (@orpelas) September 19, 2021
オートファジーは、大隅良典・東京工業大栄誉教授が仕組みを明らかにし、2016年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。
吉森先生は、ノーベル賞を受賞した大隅先生のお弟子さんです。
吉森先生曰く、「ルビコンを測定したり、阻害したりする方法ができれば、老化現象を抑えられ、健康寿命が延びることが期待される」そうです。
ルビコンが増えると老化が加速することが分かったところで、次にルビコンを増やさない方法を見てみましょう。
ルビコンを増やさない方法とは
肝臓に脂肪が貯まりすぎた状態を脂肪肝といいますが、高脂肪食によって肝臓でルビコンが増えます。
肝臓に脂肪が貯まる3大原因は、
- アルコールの過飲
- 肥満
- 糖尿病
などです。
脂っこいものを食べすぎるとルビコンが増え、オートファジーの働きが悪くなるようです。
動物性、植物性に限らず脂はオートファジーの働きを減らすのでMCTオイルなどの良質の油を摂る必要がありそうです。
「どうして増えるかは、まだ分かってないが増えることは間違いない(P277)」と吉森先生も前述した著書で述べられています。
たんぱく質が原因で老化が加速することが分かったところで、その対処法についてみて行きましょう。
ルビコンを抑えれば老化が遅くなる
ルビコンをかくした線虫やハエの寿命はオートファジーが活性化することで、平均20%伸びました。
20%伸びるとはスゴイです!
今の日本人の寿命だと、20%伸びたら平均寿命は100歳を超えます。
オートファジーに必要な遺伝子を同時に破壊すると、寿命は伸びずに逆に縮んだことにより、オートファジーの働きが悪くなったことが、寿命延長の原因だったという因果関係も証明出来たことになります。
具体的な実験として、
ルビコンのない線虫
ルビコンのない線虫は、ルビコンのある線虫と比べると約2倍多く動きました。
老化の特徴
これは、老化の特徴のひとつである運動量の低下に該当しません。
若い体の機能
この実験での線虫は、歳をとりながらも、若い頃の体の機能を保っていることになります。
生き物は、ルビコンを抑えることで寿命が延び同時に老化を食い止められる可能があるということになります。
もう少しルビコンの役割について見てみましょう。
ルビコンはオートファジーのブレーキ役
現在、オートファジーに関するたんぱく質は約30種類以上見つかっていますが、その中で唯一ルビコンがオートファジーのブレーキの役目します。
ルビコン以外にもブレーキたんぱく質は見つかているようでうが、量が少ないようです。
このルビコンは、2009年に吉森先生の研究室で見つけられました。
科学雑誌「nature」に発表された論文が以下のリンクです。
引用論文
:ルビコンによるオートファジー活動の抑制は老化のサイン
引用論文の内容については、機会があればご紹介したいと思います。
寿命を延ばすのに何が出来るか
寿命を延ばす5つの方法
「どうしたら寿命が伸びるのか?」専門家はある程度わかってきてるようです。
その方法を寿命延長経路と呼ぶそうです。
そして、寿命延長経路には主に5つあります。
その5つについてスイートしました。
寿命を延ばす5つの方法
1カロリー制限
2インスリン抑制
3TORシグナル抑制
4生殖細胞の除去
5ミトコンドリア抑制どれも生存には必要不可欠だけど機能は抑えたほうがいい。元気があり過ぎるよりちょい省エネの方が長生き出来るようです。「なぜそうなるのか?」はっきり分からないところが面白い pic.twitter.com/q2uUBqlgOe
— ジョージ@金森式筋トレブロガー (@orpelas) October 13, 2021
寿命を延ばす5つの方法
- カロリー制限
- インスリン抑制
- TORシグナル抑制
- 生殖細胞の除去
- ミトコンドリア抑制
step.1
カロリー制限は、1食のカロリー摂取量を減らすか、「プチ断食」が効果的です。
step.2
インスリンを働かせないないようにすると寿命が伸びることが動物実験で分かっています。
step.3
TORとは、たんぱく質で細胞の増殖や代謝をコントロールするので抑え気味が効果的です。
step.4
生殖細胞自体がないと長生きすることは分かっていますが、その理由は不明です。
step.5
ミトコンドリアも抑制すると長生きするとの報告があります。
オートファジーを活性化する
カロリー制限で体の中を飢餓状態になると、栄養を補給するために細胞内を分解するのがオートファジーです。
それと同じように前述した「寿命を延ばす5つの方法」で紹介した1~5の全てにおいてオートファジーは活性化します。
ゆえに、オートファジーが長寿の要と言っても過言じゃないかもです。
老化による免疫力低下を抑える
老化現象の中でも免疫力が低下は一番と言ってもいいほど恐ろしいものです。
免疫力の低下は、
- ワクチンが効きにくい
- 感染症に弱くなる
- 肺炎なども重篤化
- アルツハイマー病
- 糖尿病の発症と悪化
などにもつながると言われています。
オートファジーが活溌であれば、細胞内に侵入した病原体を殺す役割があります。
免疫は、おもに免疫細胞が担っていますが、その免疫細胞を作る幹細胞にもオートファジーが必要です。
まとめ
まとめです。
この記事は、僕自身が60歳の壮年期で急激に老化が進む年代に突入しようとしているので気になります。
体力的には、あまり落ちてないと感じてますが、顎のたるみや目尻のシワは鏡をみると気になる年頃?になりました。
科学的な説明を聞いて分かったつもりでも、「実際に何をすればいいの?」と感じている方も多いと思います。
簡単にまとめると、
- ヒトは、節目ごとにガクンと老化する。
- その原因はどうもルビコンというたんぱく質が関わっている。
- その背後にいるのがよく聞くけど今一つ分からない「オートファジー」。
ルビコンがオートファジーのブレーキ役ならば、それをコントロールする薬が開発されるまでは待てないし…。
寿命を延ばすには、カロリー制限やインスリン抑制などいろいろあって難しい
と思っている人に朗報です。
今現在、私たちはに出来る最善の対策は、
「腹八分目で、運動して、脂っこい食事を避ける」
この一言に尽きるようです。
特に脂っこいものを食べ過ぎるとルビコンが増えてオートファジーの働きが悪くなるので要注意です。
健康診断で肝臓の数値を確認して早めに対処することは出来ますよね。