記憶力を良くする方法は昔から色々と言われて来ましたが、今回は信頼できる科学的根拠がある5つの効果的な方法をご紹介します。
5つの記憶力改善法
次の5つの記憶力改善法は、長期・短期記憶の両方を改善するものです。
運動をする
運動が身体にいいのは分かりますが、運動が記憶力も良くするとは知らない人の方が多いのはないでしょうか。
最近の研究よれば...
運動により記憶が向上することが証明されています。
米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された脳画像を用いた新調査によると、軽い運動を数分するだけでも即座に記憶力の改善が見られる可能性があることが分かりました。
どうりで、アインシュタインもよく研究の合間に散歩をしてい訳ですよね。
研究者らは、被験者に軽い運動を10分間行わせた後、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を使って被験者の脳活動の変化を測定し、記憶力テストも実施しました。
fMRIの結果からは、新しい一時的な記憶を蓄積する活動に関わる脳の2つの部分(歯状回と海馬)のつながりの向上していました。
そして、記憶テストの結果は脳画像の結果と相関してました。
この調査結果から、数分から1時間までの運動をすることで記憶力の向上に関わる脳領域のつながりが向上することが分かりました。
軽い運動とは?
数分から1時間までの軽めの運動とは...
ランニングマシン、ウォーキング、ジョギング、水泳など有酸素運動を基本とする軽めのトレーニングでいいようです。
充分な睡眠と昼寝
記憶は眠っているときに定着します。
そのため、眠りの質が記憶力の向上へと繋がります。
いい睡眠が取れず夜中に何度も起きてしまう時は、記憶力が下がっている兆候です。
飲み過ぎで夜中に何度も起きてしまう翌朝は頭がぼっーとしてしまうのもそのせいでしょうか。
その逆に毎日8時間以上の睡眠を取っている場合、新たな記憶を定着させ情報を思い出す能力は高まります。
「寝る子は育つ」という諺にも一理あるようですね。
さらにこの研究では、定期的に昼寝を活用すれば記憶力が向上することが分かりました。
米科学誌ネイチャー・レビューズ・ニューロサイエンス(Nature Reviews Neuroscience)に掲載された研究では、30分ほどの短時間の昼寝をすることで脳の情報保持能力が高まると発表しています。
昼寝がいい研究方法
研究者らは2つのグループの人々にさまざまな画像が載った一連のカードを記憶させ、40分後に追加のカードを覚えさました。
その合間に1つのグループは短時間の昼寝をとります。
もう一方は昼寝せずに起きていました。
この研究結果として、昼寝したグループは最初に見た画像の85%を覚えていましたが、昼寝なしのグループが覚えていたのは60%ほどでした。
昼寝ありは85%覚えていた。
昼寝なしは60%覚えていた。
瞑想をする
記憶と集中力が使う脳の神経領域はほぼ同じです。
集中力を向上させる瞑想(めいそう)などの手法には記憶力向上効果もあることが研究で分かっています。
瞑想は、特に動作記憶をよくします。
動作記憶とは、1日に必要な情報を一時的に保管する記憶のことです。
そして、瞑想は、動作記憶から必要なものを取り出すのをスピードアップします。
もの忘れや、ボケ防止に瞑想はピッタリということですね。
瞑想の理想的時間は?
瞑想が記憶力UPに良いことは分かりました。
では一体どれくらい瞑想を続ければいいのでしょうか?
この瞑想の理想的な時間についての研究は1時間から3時間と様々ですが、脳は習慣を好む特性から考えると毎日、規則正しく瞑想をすることに効果があります。
「始めよう。瞑想~15分でできるココロとアタマのストレッチ」という本の中で著者の宝彩 有菜さんは15分間の瞑想が効果があると述べています。
毎日決まった時間に15分間、出来れば同じ場所で瞑想すると効果がある。
始めよう。瞑想~15分でできるココロとアタマのストレッチ
カフェインの入った飲み物
カフェインは記憶力や認知機能を改善する万能薬だと言われています。
ジョン・ホプキンス大学の研究者らは、カフェイン入りのコーヒーを飲まない人を対象に実験を行いました。
実験方法は?
- 被験者は一連の画像を見た後、カフェイン錠剤200ミリグラムか、見た目が同じプラシーボ(偽薬)を与えられました。
- 次の日、各グループに前日と全く同じ画像・似た画像・全く違う画像のそれぞれを見せました。
- そして、前日にカフェインを摂取したグループはプラシーボを飲んだグループと比べてみました。
- 結果として元の画像と似た画像を著しく高い確率で認識し、細かい部分の違いまで見分けることが出来ました。
つまり、カフェインを摂取していたグループは、非常に似通った画像の間の具体的な違いを覚えており、鋭い記憶力を発揮していることが分かります。
コーヒーや茶はカフェインの摂取源として最もポピュラーです。
そして一日のカフェインの摂取目安として、コーヒーであれば三杯から5杯程が目安と言われています。
フラボノイドを含む食品を食べる
ブルーベリーやカカオなどにフラノボイドが豊富に含まれるています。
最近の研究では心臓血管の健康を改善し、がんの予防効果さえある可能性があると発表されいます。
また記憶に関しては、フラボノイドが豊富なブルーベリーなどの食品の摂取量を増やすことで記憶力の低下が抑えれれ、情報を思い出す力がUPすることが複数の研究者から発表れています。
米科学誌の農業食品化学ジャーナル(Journal of Agricultural and Food Chemistry)に掲載された記事によると、70歳前後の参加者グループが毎週一定量のブルーベリーを数週間かけて摂取したところ、実験前と比べて記憶力の低下が遅くなったと発表されています。
また、カカオの含有量が70%以上のダークチョコレートにも、記憶力UPすると言われています。
低下を抑える効果があることは実証されていますので、試してみる価値はありますね。
フラボノイドが多く含まれる食品
フラボノイドとは、ポリフェノールの一種で天然に存在する有機化合物群の植物色素の総称です。
参考までにフラボノイドを多く含まれる食品は以下のとおりです。
- イソフラボン...大豆、きなこ
- ケルセチン...たまねぎ、りんご、エシャロット
- カテキン...緑茶、抹茶、小豆、ココア
- アントシアニン...赤ワイン、ブルーベリー、黒豆
- セサミン...ごま
- テアフラビン...紅茶
- ヘスペリジン...柚子、温州ミカン、レモン
- ルテオリン...ピーマン、春菊、セロリ
- ナリンギン...グレープフルーツ、はっさく
- タンニン...れんこん、お茶
まとめ
朝起きたらコーヒーとブルーベリーで朝食を済ませたら軽く散歩をして10時と3時にコーヒータイムで、少し昼寝をしてから15分間瞑想をする。
こんな感じの生活をしているれば、科学的に実証された記憶力を良くする5つの効果的な方法を実践出来ます。
でも...
これって何も目新しいモノが入ってないよね。