こんにちはジョージ @orpelasです。
先日、「脳を最適化すれば能力は2倍になる」というツイートをしたところ、意外にも反響がよかったので『7つの脳内物質を最適化すれば能力は2倍になる?!』というタイトルでまとめてみました。
反響のよかったツイート
「脳を最適化すれば能力は2倍になる」
1 ドーパミン
2 ノルアドレナリン
3 アドレナリン
4 セレトニン
5 メラトニン
6 アセチルコリン
7 エンドルフィン7つの脳内物質がやる気や働き方を変える。これらの脳内物質を上手にコントロールすれば脳力が倍増する😊 pic.twitter.com/TkJrcigs5Z
— ジョージ@筋トレ金森式ブロガー (@orpelas) May 7, 2021
「脳を最適化すれば能力は2倍になる」
1 ドーパミン
2 ノルアドレナリン
3 アドレナリン
4 セロトニン
5 メラトニン
6 アセチルコリン
7 エンドルフィン
7つの脳内物質がやる気や働き方を変える。
これらの脳内物質を上手にコントロールすれば脳力が倍増する。
そうなんです。
この7つの脳内物質を上手にコントロールすれば、
- ヤル気
- 集中力
- 学習力
- 記憶力
- 想像力
などが思いのままになります。
そして、この記事は以下の項目を知りたい人にも参考になると思います。
こんな方におすすめ
- やる気を管理する方法はあるか?
- ペットによる癒やし効果とは?
- なぜ感謝すると成功するのか?

7つの脳内物質を最適化すれば能力は2倍になる?!
人の感情は、脳内物質で作られて一番大切なのが、その「バランス」です。
脳内物質は、50以上も存在、その中でも脳の重要な役割を担い研究も進んでいる、7つの脳内物質に焦点を絞っていきます。
「脳を最適化すれば能力は2倍になる」は精神科医の樺沢紫苑さん(かばさわ しおん)が書いた脳の特性をフル活用するガイドブック的な一冊です。
ポイントになるのが脳内物質のバランスです。
7つの脳内物質とは?
1 ドーパミン
2 ノルアドレナリン
3 アドレナリン
4 セロトニン
5 メラトニン
6 アセチルコリン
7 エンドルフィン
7つの脳内物質がやる気や働き方を変えます。
トップパッターは、一度は耳にしたことがある「ドーパミン」です。
ドーパミン:報酬サイクルを大きく回す
ドーパミンが分泌されたとき、私たちは「幸せ」を感じます。
- 楽しかった
- 嬉しかった
- 人から愛された
- 人から褒められた
- 仕事で達成した
こうした精神的な報酬によって側坐核(そくざかく)Nucleus accumbens のニューロンは興奮します。
引用
側坐核は、前脳に存在する神経細胞の集団。報酬、快感、嗜癖、恐怖などに重要な役割を果たす。(引用元:WIKI)
そして、やる気やモチベーションは、側坐核が興奮した時にアップします。
では、どうやって自分で側坐核を意図的に興奮状態にすればいいのでしょうか。
具体的なドーパミンの7つの報酬サイクルについて見てみましょう。
ドーパミンの7つの報酬サイクル
快感を得るための創意工夫を繰り返しながら学び自己成長する一連のサイクルを「強化学習」といいます。
この強化学習が進化・成長するために不可欠な脳内システムです。
step
1明確な目標を設定する
明確な目標設定をするとドーパミンを2度出でます。
- 「目標を設定したとき」
- 「目標を達成したとき」
例えば、一日の行動計画を立てた時にアドレナリンが1回が分泌され、それを達成した時に2回目が分泌されます。
この2回のアドレナリン分泌で得た快感を創意工夫することで脳内システムが強化されていきます。
注意ポイント
将来の「ぼやっ」とした目標や夢では、ドーパミンは分泌されません。
引用
自分でしっかりと目標設定を設定し、それに向かって努力したり、工夫ひたりする過程でドーパミンは分泌されます。(P41)
そして、ここで一番大切になるのが「目標を立てる習慣」です。
夢や希望を実現可能な目標へ置き換える。
長期的な目標を、数週間で実現可能な「小さな目標」に置き換えるだけで、モチベーションは上がり、ドーパミンは長期的に分泌されます。
step
2目標達成を明確化する
目標を達成した自分を意識的にできるだけ明確にイメージする。
ドキドキ・ワクワクすることが、ドーパミン分泌のバロメーターになります。
目標を達成した自分をイメージした時、いかに自分がワクワク、ドキドキするかによって、ドーパミンの分泌量が変わってきます。
もちろん、目標の達成率も変わってきます。
逆説的ですが、全く自分がイメージ出来ないものは、ドーパミンがでないから、なかなか行動にも移せなくて、夢というよりも「空想」で終わってしまうのです。
step
3目標を何度も繰り返す
ドーパミンは長時間出続けるものでなく、補給する必要があります。 一番手軽な補給方法が目標を繰り返し確認する(P46)。
目標達成した自分を明確にイメージすることでモチベーションの源であるドーパミンが分泌されます。
step.1
モチベーションは車で例えると「ガソリン」です。
step.2
旅へ出発する前に「ガゾリンを満タン」=「目標設定によるワクワク感」を繰り返し確認します。
step.3
旅の途中で「ガソリン補給」=「目標達成のイメージ」も確認。
ガソリンを途中で給油しながら、ワクワク、ドキドキしながらイメージした目標を達成する。
step
4楽しみならが実行する
人間の脳は「楽しみ」という「快」を感じるとドーパミンを放出するので、楽しみならが実行することが大切になります。
「好きこそものの上手なれ」という諺は、このドーパミンの性質を言い当てています。
ココがポイント
ポイントは自分が心底楽しいと思えることです。
自分が心から楽しいと思えないとダメです。付け焼き刃的に無理やり楽しさを表現してもドーパミンは放出されません。
step
5達成後ご褒美を与える
脳は貪欲なので、目標を達成したらご褒美を与えると「またご褒美が欲しい」と次回も頑張るモチベーションになります。
身近なご褒美としては、普段は行けない高級レストランなどに行くのも一つの手段です。
メニューを見ながら「快」を感じ、実際に食べならが、ドーパミンが放出されます。
このご褒美が大きければ大きほど、次回の目標を達成する原動力となります。
step
6即新しく高い目標設定
今の自分に満足した瞬間、ドーパミンは出なくなります。たとえ好記録が出たとして現状で満足せずに、さらに次の高みを目指すことによりドーパミンが出ます。
「より困難な目標」を達成した時に、ドーパミンは放出されます。
よって目標が実現したら「より困難な目標」を間髪入れずに設定して下さい。
これはドーパミンの強化学習サイクルを回す秘訣です。
脳は欲張りです。 「もっともっと」を好むのがドーパミンです。 より高い目標を設定し続ける限りドーパミンも出続けます。
step
7目標達成のサイクルを回す
この図のように強化学習のサイクルを回し続けることにより、脳はさらに進化します。
ソフトバンクの孫正義さんやアマゾンのジェフ・ベゾスさんなど1代で信じられないくらいの財を築いた人たちは、1人の例外もなく、このアドレナリン強化学習サイクルを回しています。
これらの7つのステップを意識して行動することが、ドーパミンを放出するのに大切になります。
脳の画像加工修正能力を利用すれば視力も回復するとは驚きです。
ノルアドレナリン:闘争と逃走ホルモン
ノルアドレナリンは、「闘うか」それとも「逃げるか」という緊急事態時に反応する脳内物質です。
瞬発的な行動がとれるように脳と身体を準備しておくのが、ノルアドレナリンの役割です。
このノルアドレナリンの分泌によって覚醒度や集中力がアップします。
これによりぼんやりとしていた頭が冴え、「闘う」か「逃げるか」の正しい判断が瞬発的にできるようになり、脳の働きが飛躍的に向上します。
では、具体的にどうすればいいのか見ていきましょう。
締切と短期集中
締切や短期集中のような、恐怖の集中力を利用して、集中力をアップさせる方法です。
このやり方は、昔からあります。
引用
「窮鼠猫を噛む」とか「背水の陣」と言われたように、限界状態に追い込まれた人間は、ポテンシャル以上の能力を発揮します(P98)。
こうした脳の反応は、ノルアドレナリンが深く関わっています。
ノルアドレナリンが分泌されると、注意力、集中力が大幅にアップして短時間で質の高い仕事が可能になりますが、一点注意しないといけないのが「慣れやすい」ことです。
短期間だからこそ「火事場のクソ力」が出るのですが、それが毎回だと慣れてしまいかえってやる気が減退してしまいます。
そこで、理想的な働き方になるのが「北風と太陽」とのコンビネーションです。
北風と太陽が理想
イソップ物語の「北風と太陽」
太陽と北風は、旅人のコートをどちらが先に脱がせられるかを競います。
北風は強い風で吹き飛ばして脱がそうとします。
すると、旅人は飛ばされまいと必死にコートをおさえる。
太陽はポカポカに照らして、自ら脱ぐように仕向けると、
旅人は暑さでコートを脱ぎ太陽が勝ちます。
イソップ童話の「北風と太陽」を脳内物質に例えると、
- 北風がノルアドレナリン
- 太陽がドーパミン
となります。
- 前者は「恐怖」や「不快」や「叱られること」を避けるために頑張ります。
- 後者は「楽しさ」「ご褒美」「褒められ」などの報酬を求めて頑張ります。
この「2つのモチベーション」は昔からマーケティングの手法として活用されてきました。
Geoger's メモ
この本は数あるマーケティング関連の本の中でも群を抜いていると思います。おすすめの一冊です。
話を戻します。
商品とは、ザックリと分けると、
- 「不快・不便を解消する商品」
- 「喜び・快を与える商品」
この2通りしかありません。
この2つのうち、どちらがより強力かと言えば、最初の「不快・不便を解消する商品」。
すなわち、ノルアドレナリン型モチベーションです。
なぜならば、「喜びや快」は今すぐに手に入れなくても、日常生活に大きな支障はありませんが、「不快」は今すぐに取り除きたいからです。
次にやりたくない仕事の対処法について見てみましょう。
苦手な仕事の対処術
「やりたくない仕事」をうまくこなすテクニックは、大きく分けて4つあります。
- ノルアドレナリンの「背水の陣」を使う
- 「不快」な仕事に「快」を見つける
- 自分にご褒美を与え「快」に置き換える
- 「不快」な仕事を断る
などです。
自分は、「おっちょこちょいな性格」だとか、「仕事に集中してない」から、など問題ではなく、仕事自体を楽しめていないとノルアドレナリンが分泌されます。
どうしても仕事が楽しめなければ、それ以外に楽しみを見出すようにします。
「うっかりミス」が増えてきたら脳が疲れている証拠で、休息が必要だという赤信号です。 思い切って休みをとって脳をリラックスさせましょう。
アドレナリン:怒りと興奮を味方にする
アドレナリンは恐怖や不安を感じたときに、「闘争」や「逃走」を助ける脳内物質です。
引用
アドレナリンが血中に放出されると、心拍数や血圧が高まり、筋肉に血液が行き渡ります。注意力・集中力を高め、身体と脳を「臨戦状態」にします(P131)。
何となく「ノルアドレナリン」と似てると思いませんか?
どちらも恐怖や危険を回避するための「逃走ホルモン」ですが、まったく同じではありません。
ノルアドレナリンとアドレナリンの違いとは、
- ノルアドレナリンは、脳と神経系を中心に影響
- アドレナリンは、脳以外の臓器(特に心臓や筋肉に)影響
という違いがあります。
ピンチをチャンスに変える
「火事場の馬鹿力」やプロボクサーの「パンチがゆっくり見えた」などは、アドレナリンがアドレナリンが原動力なっています。
アドレナリンの効果は、大別すると次の2つです。
- 体に対する効果:身体機能や筋力をUPさせる
- 脳に対する効果:集中力や判断力を高める
アドレナリンの特徴は、時間の進み具合が遅く感じられることです。
ココに注意
アドレナリンの効果は、長くても30分しか続きません。
「ピンチはチャンス」とよく言われますが、脳科学的にも正しいようです。
なぜならば、「ピンチ」と感じた瞬間、「不安」や「恐怖」を感じることで、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されるからです。
その結果、普段では考えられない身体機能と集中力が引き出され、実力以上の力を発揮できます。
次にアドレナリンをオフにする習慣を見てみましょう。
アドレナリンOFF 7つの習慣
アドレナリンをオフにすると、交感神経から副交感神経に切り替わり、深い眠りに入ることが出来ます。
アドレナリンをオフにして深い睡眠に入るには寝る前の2~3時間が大切になります。
アドレナリンをオフにする7つの習慣とは?
戦闘系RPGなどは避ける
ゲームをしている時は、スリルや興奮でドキドキしている状態なのでアドレナリンが出ています。
風呂シャワーは温度注意
ぬるま湯のお風呂でリラックスすると、副交換神経が優位になります。
寝る前は激しい運動❌
筋トレや有酸素運動は、寝る2時間前には終えてクールダウンする必要があります。
遅くまで残業しない
寝る2〜3時間前までに帰宅したとしても、遅くなるまで残業をしたことで交感神経が優位な状態にある為、副交換神経になかなか切り替わりません。
ゆるい時間を持つ
「何もしない時間」はアドレナリンをオフにするために非常に重要な時間です。
テレビは神経を興奮させるだけでリラックス効果はありません。
人間の情報の90%は視覚情報で、この情報処理のために脳は膨大なエネルギーを消費します。
昼間仕事で悩殺されて帰宅後、テレビで視覚情報を入れると副交感神経が働きません。
気心の知れた人過ごす
利害関係のない友人と打ち解けた時間を過ごすと、興奮と緊張から開放してくれます。
休息を意識する
健康の基礎となる休息は、仕事よりも重要視する必要があります。あえてアドレナリンをオフにしてしっかりと休むことが大切です。
アドレナリンをオフにするのには、寝る前2~3時間の過ごし方が重要です。
アドレナリン・ストレスとは?
ストレス状態の代表例としては、
- 臨戦態勢のパイロット
- 機動隊の隊員
- 満員電車で通勤
データー上は満員電車で通勤が一番ストレスがかかります。
ストレスによるアドレナリンの分泌は、肉体的にも影響を与えます。
ここからが後半です。
ドーパミンで報酬サイクルを回し、ノルアドレナリンの火事場の馬鹿力を利用して、アドレナリンで怒りと興奮を味方につけた後は、癒やし系の脳内物質であるセロトニンとメラトニンへ続きます。
セロトニン:朝仕事効果と気分転換UP
セレトニンは、「睡眠」と「覚醒」をコントロールする脳内物質です。
朝仕事に3倍効率化UP
朝起きてからの2~3時間は、「脳のゴールデンタイム」と呼ばれ、脳が最も生き生きと活動する時間帯です。
朝のゴールデンタイムを生かす準備として、
- 睡眠時間を確保する
- 内容を事前に決める
- ご褒美を用意する
などです。
この3つの中でも、最も大切なのが睡眠です。
この時間帯に何をするかで、1日でこなせる仕事量や仕事の質が変わってきます。
セロトニンを活性化させる為の方法をいくつかご紹介します。
カーテンを開けて寝る
カーテンを開けて寝ると、朝、スッキリと目が覚める。
カーテンを開けて寝る効果を簡単に説明すると、太陽からの光で網膜が刺激を受けてセロトニンの合成がスタートします。
セロトニンからインパルス(神経内の情報伝達)が脳全体に行き渡り、1日の活動が始まるからです。
セロトニン気分転換術
セロトニンを仕事で応用するなら、最適なのが「気分転換」です。
セロトニンが活性化すると、心が安定します。
セロトニンを活性化させて「煮詰まった状態」から脱出して、仕事の効率を大きく高めるのが「セロトニン気分転換術」です。
それでは、7つのセロトニン気分転換術を見てみましょう。
外食ランチ
外食ランチは、セロトニンを活性化させる3つのポイントを全て兼ね備えています。
- 日光を浴びる
- リズム運動
- 咀嚼する
外食ランチから戻ると、セロトニンもチャージされ、新鮮な気持ちで午後の仕事をスタート出来ます。
歩きながら考える
脳を緊張から緩和へ変化させるためには歩きましょう。
脳を意識的に緩和させることで、思わぬアイデアがひらめきます。
深呼吸
深呼吸はセロトニンを活性化させ、脳に十分な酸素を送り込む効果があります。
音読する
声を出して本や文字を読み上げると、それだけで脳は活性化します。
音読は、前頭前野の血流を即し、認知症の予防にも、効果があるそうです。
簡単な運動
机に座ったままで、セロトニンを活性化させて気分転換出来る簡単な方法は「首回し運動」です。
頭は重いので、そのために首にはたくさんの筋肉がついています。
首を回すだけでも、大量の電気信号が脳に伝わりセロトニンを活性化出来ます。
気分転換を組み合わせる
首回しなどのリズム運動を5分間やるのは大変なので、深呼吸などと組み合わせることで無理なくセロトニンを活性化させることができます。
セロトニン活性化を習慣にする
単に1回きりのセロトニン活性化ではなく、それを生活習慣にすることで、セロトニン神経が鍛えられます。
セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから作られます。
必須アミノ酸は体内で作れないので、食事から摂取します。
トリプトファンは、肉、大豆、米、乳製品などに含まれますが、肉から摂取するのが最も効果的です。
肉は身体に必要なアミノ酸がバランス良く含まれているので、栄養効率がいいのです。
また、セロトニンの合成には、「ビタミンB6」も必要です。
セロトニンの次は、睡眠物質でリフレッシュするメラトニンです。
メラトニン:睡眠物質でリフレッシュ
メラトニンは、脳の「松果体」で分泌され、松果体は網膜が受ける光の量でメラトニンの分泌量を決定します。
寝る前に部屋を暗くするとグッスリと眠れるのは、光の刺激が遮断されてメラトニンの生成がはじまるからです。
メラトニンは昼に比べて、夜間の方が5~10倍多く生産されます。
睡眠は最強・最優先の仕事術
研究によると、トップ10%に入っていた優秀な学生の睡眠時間を「7時間以下」に制限、その成績は下位9%にまで落ち込んだ。
また、別の研究によると、5日連続で睡眠時間を「5時間以下」に制限したところ、48時間眠らなかった人と同程度まで、認知能力が低下したというデーターもあります。
老化防止効果
メラトニンは「睡眠促進物質」であると同時に、「細胞修復物質」でもあります。
老化防止効果として強力な「抗酸作用」があります。
引用
抗酸化作用とは、身体を酸化する原因である「活性酸素」を処理する作用で、結果としてアンチエイジングの効果が得られます(P242)。
抗酸化作用が強い物質としては「ビタミンE」が知られていますが、このビタミンEよりも2倍の抗酸化作用がメラトニンにはあります。
また、メラトニンには「抗腫瘍効果」が認められています。
- 腫瘍増殖抑制効果
- 血管新生抑制効果
- DNA修復作用
など、メラトニンは体内の重要な「回復物質」なのです。
究極の疲労回復物質であるメラトニンを分泌させグッスリ寝ることにより、病気にもならず身体を若々しく保つことが出来ます。

メラトニンを生み出す方法
メラトニンを具体的に生みだす方法について見てみましょう。
- 部屋を真っ暗にして寝る
- 薄暗くしてリラックスする
- 寝る前は蛍光灯やLEDを避ける
質の高い睡眠は生活習慣に基づくさまざまな要素が組み合わさっています。
夜ふかしをして無理して頑張るよりも、早めに寝て朝早く起きた方が効率がいいと言えます。
あまり聞いたことがないかも知れませんが、次に「やる気」をコントロールする脳内物質であるアセチルコリンを見てみましょう。
アセチルコリン:認知機能と仕事術
「アセチルコリン」が分泌されると、どんどん気分が乗ってやる気が出てきます。
脳のほぼ真ん中に左右対象のりんこの種ほど小さい「側坐核」という部位があります。
そして、この側坐核の脳神経が活動すればやる気が出ます。
やる気がない「とりあえずはじめる」
側坐核は、ある程度の「刺激」が来たときだけ活動するので、何もしなければ活動しません。
ココがポイント
やる気が出ないときは、やる気がわいてくるまで待つのではなく、「やる気が出ないから、とりあえず始める」というのが脳科学的には正しいモチベーションになります(P251)。
アセチルコリンをコントロール出来れば、「仕事がはかどる」「ひらめきを得る」などのメリットもあります。
天才たちのひらめき方法
ひらめきというのは、「ゼロからアイデアが生み出される」のではなく、脳内での情報連結であり、材料は、すでに頭の中にあるのです。
素晴らしい「ひらめき」を得るには、
- たくさん本を読む
- 多くの情報を集める
- いろいろな経験をする
- 数々の試行錯誤をする
などのたくさんの情報をインプットしておく必要があります。
もう一つ大切なことがあります。
それは、ひらめいた瞬間に、メモることです。
なぜならば、ひらめきは神経細胞の発火(電気的活動)に過ぎません。
脳の中の神経発火は、瞬時に消えてしまいます。
ひらめきは記憶に残りません。
枕元にメモ帳を置いておき、「メモる」ことが大切です。
エンドルフィン:脳内麻薬で究極の仕事
エンドルフィンは、大きなストレスがかかると分泌され、鎮静効果を発揮し骨折などの激痛を抑えるほどの効果があります。
エンドルフィンは強力な鎮静作用を持つ脳内物質です。
「モルヒネ」の6.5倍もの鎮静効果を持ちます。
引用
モルヒネ(morphine)は、ベンジルイソキノリン型アルカロイドの一種で、チロシンから生合成されるオピオイド系の化合物。 ケシを原料として 脳内や脊髄に作用し、痛みを脳に伝える神経の活動を抑制し、鎮痛作用を示す。(引用元:WIKI)
ストレスに反応して脳下垂体より分泌したエンドルフィンは、大脳皮質、視床、脊髄などに分布する「オピオイド受容体」に結合します。
「オピオイド受容体」に結合後に、以下のような機能を担います。
- 鎮静作用
- 胃腸運動の減少
- 縮瞳
- 徐脈
- 神経抑制物質の抑制作用
このオピオイド受容体は、モルヒネやヘロインなどの麻薬とも結合します。
エンドルフィンの分泌でも、モルヒネを投与したときと同じような「多幸感」や「恍惚感」が現れます。
麻薬のためにオピオイド受容体があるのでなく、最初から人間の体内には、麻薬によく似た物質が存在しています。
それが「脳内麻薬」とも呼ばれるエンドルフィンです。
ランナーズハイ
「ランナーズハイ」とは、マラソンなどの長時間のランニングの時に経験する陶酔状態のことです。
ランニングや高負荷の有酸素運動の後に血中エンドルフィンが増加し、それが脳のオピオイド受容体に結合している研究もミュンヘン工科大学の研究グループが発表しています。
これは、長距離走行中、エンドルフィンの産生が増加し、脳内の受容体と結合していることになります。
太古の昔からヒトは走っていたことが、「メキシコの走る先住民ララムリ」からも分かります。
#金森式 メキシコ先住民族ララムリ
「BORN TO RUN」にサンダルでマラソンに優勝するララムリ族の記述。走り方が気になり見つけたブログ。つま先から着地してかかとは地面につかないベアフット走法。足が地面に着地時の衝撃が抑えられ足に負担なく長い時間走ることが出来るhttps://t.co/QPwelfNfuR
— ジョージ@筋トレ金森式ブロガー (@orpelas) April 14, 2021
「タイヤを切り抜き手製のワラージ」というサンダル?!を履いて何百キロも走るララムリの人たちはいつも笑顔で走っています。
なぜ、笑顔で走っていたのか?

ペットによる癒やし
エンドルフィンは過度のストレスがかかった限界状況で分泌されますが、それ以外にも「癒やされたり」「リラックスしたり」と感じられると分泌されます。
例えば、仕事が終わって帰宅して愛犬と戯れる瞬間に癒やしを感じる人も多いと思います
引用
ある研究によると、愛犬家と犬の「さわる」「なでる」という親密な触れ合い行動によって、人と犬の両方で血中のエンドルフィン濃度が上昇する、というデーターがあります(P297)。
step.1
心と体がリラックス
step.2
脳のアルファ波が出る
step.3
エンドルフィンが分泌される
このようにストレスがかかった状態だけでなく、ペットと遊びリラックスした状態においても、エンドルフィンは分泌されます。
瞑想でもエンドルフィン
瞑想をすると、きれいなアルファ波が出ます。
心は平静で静まり返った状態でありながら、集中力や注意力は高まって意識は研ぎ澄まされます。
これは、エンドルフィンによる癒やし効果と脳の活性効果が得られた状態と言えます。
また、エンドルフィンは心を休める効果のみならず、免疫力を高め、身体の修復力を高める効果もあります。
さらに、がんと闘う免疫機能を担う「NK活性」を高める作用もあり、抗がん作用も確認されています。
「感謝」は成功の法則
自己啓発書などに「感謝の心を持つことこそ、最高の成功法則」と書かれてるのを目にしたことも多いと思います。
なぜ「感謝すると」成功するのでしょうか?
それは、人に感謝するとエンドルフィンが分泌されるからです。
引用
NIH(アメリカ国立衛生研究所)の研究グループは、ボランディア活動をしている人の脳は「報酬」を受けた時の脳と同じ活性パターンを示すことを研究で明らかにしています(P319)。
- 人に感謝する
- 人から感謝される
- 人の役に立つ
- 人に貢献する
などの瞬間に「報酬系」の扁桃体(へんとうたい)が刺激され、ドーパミンやエンドルフィンを分泌されます。
このように、人に感謝することや人から感謝されることが、成功を引き寄せることは、科学的にも裏付けられているのです。
さらにもっと加速して成功したい人には、耳寄りな情報があります。
それは、失敗に感謝することです。
失敗にも感謝する
「失敗から学べてよかった」と考えられる人は、成功へと大きく加速します。
なぜならば、エンドルフィンを出し、シナプスの可塑性(かそせい)
を高めるからです。
引用
シナプスの可塑性とは、シナプスとシナプスとが結合する柔軟性のことで、シナプスの可塑性が高まると信号の通りが良くなり、結果として学習・記憶の効率が高まります(P322)。
これにより、エンドルフィンが分泌された時はしっかりと記憶されます。
このため、失敗体験が記憶として定着し経験として蓄積されるのです。
さらにです。
ドーパミンとエンドルフィンの働きで、脳が新しいモチベーションを獲得して、次の目標へとスタートすることが出来ます。
ココがおすすめ
大きな失敗をした場合、落ち込んでいる暇はなく「失敗は成功のもと」と感謝するとエンドルフィンがブリブリ出まくります。
だからこそ、成功者の多くは失敗してもクヨクヨしない人が多いのです。
癒やし物質としての一面を持つエンドルフィンは、過度なストレス状態には、それを緩和させるために分泌されます。
逆に穏やかでリラックスした状態でも分泌されます。
全く正反対の状況下で分泌されるものの、結果は同じです。
まとめ
最後にまとめです。
人間の脳の仕組みは非常に複雑で難解ですが、シンプルに考えると2つしかありません。
その2つとは、
- 「快」を求める
- 「不快」を避ける
「快」が刺激を受けると、ドーパミンとエンドルフィンが分泌されます。
このドーパミンとエンドルフィンが放出されると、
- 記憶力
- 学習力
- 想像力
などの脳の機能を高めてくれます。
逆に、「不快」な刺激を受けるとノルアドレナリン、アドレナリンが分泌されます。
このノルアドレナリンとアドレナリンが放出されると、
- 集中力
- 瞬発力
を高め「火事場の馬鹿力」を発揮してくれます。
ただし、長期に分泌しすぎると「コチゾール」を高め、すし詰めの満員電車と同様なストレスを受けて免疫力が低下し、心と体の病の原因にもなります。
また、脳内物質をバランスよく分泌するには、メラトニンを出して熟睡して、朝からからセロトニンを活性化します。
昼からはアドレナリン全開でバリバリ働き、夜はアドレナリンをオフにしてリラックスします。
これが仕事も頑張り、休みもおろそかにせず、翌日もバリバリ頑張れる健康な生活習慣サイクルです。
このように脳の仕組みにかなった方法で仕事をこなしていくことで、「仕事の効率化」と「心と体の健康」の両方が手に入ります。
GAFAに並ぶ過去最高益を打ち出したソフトバンクの孫正義さんが、テレビのインタビューで「5兆円や6兆円で満足する男ではない」と言っていたのを聞いて、絶えず目標を掲げて「エンドルフィン」の分泌を刺激して脳内物質を分泌させていることが分かりました。
僕は今まで「生まれ持った気質や性格で成功する人は決まっている」と考えていましたが、孫さんのインタビューを聞いて、その考えが間違っていることに気がつきました。
「小さな成功体験の積み重ねで脳内物質を分泌させて鍛え、より高みを目指す」という脳本来の機能を使えば「目標は達成できる」と思えたことが、この本を読んだ最大の収穫です。
今回ご紹介した7つの脳内物質の特性と効果を頭に叩き込んで、自分の日常生活と目標のバランスを考えて計画すれば「理想の自分になれる」。
そんな気になってきました。
最後にポイントが一つあります。
それは、脳内物質の分泌を意図的に訓練することです。
筋トレに近いイメージですが、何度も何度も繰り返し練習することにより、より精度が増し力がついて来ます。