【東京都編】自宅で不動産業を始めるための事務所レイアウトと設備チェックリスト

宅建の資格を活かし、最小限の資金で独立開業するためには、固定費の抑制が重要です。

その中でも、特にコストがかかるのが人件費と家賃です

一人親方として独立開業する場合、人件費は発生しませんが、次に大きな費用となるのが家賃です。

事務所を自宅に設けることで、家賃の節約が可能となります。

そこで今回は東京都の事務所兼自宅で開業するために「自宅で不動産業を始めるための事務所レイアウトと設備チェックリスト」と題してまとめてみました。

 

事務所兼自宅開業の3つの疑問

  1. どこに申請するのか?
  2. 事務所のレイアウトは?
  3. 必要な設備と備品とは?

以下、それぞれについて説明します。

 

どこに申請するのか?

「宅建業を始めるに当たって管轄はどこなのか?」都内の自宅で一人でひっそりはじめるとした場合、申請する窓口と免許権者は東京都になります。

東京都の宅建業の申請窓口は、住宅政策本部 民間住宅部 不動産業課 免許担当という部署が該当します。場所は新宿にある東京都第二本庁舎3階③番窓口です。

実際の申請手順については東京都が発行している東京都宅地建物取引業免許申請の手引があるので、そちらを参照にして宅建業申請手順の流れをイメージして見て下さい。

参考東京都宅地建物取引業免許申請の手引

  1. 宅建業の開業を申請する窓口はどこか
  2. 事務所として認められるレイアウトとは
  3. 事務所に必要な設備と備品とは

 

上から順番に解説して行きます。

 

事務所のレイアウトは?

次に自宅で開業するためには、「どんなレイアウトが認めてもらえるのか?」について見て行きます。

この件に関しても東京都が発行している「東京都宅地建物取引業申請の手引き」という手引きガイドがあります。

事務所のレイアウトについては、

一般的な解釈としては、物理的にも宅建業の業務を継続的に行える機能を持ち、社会通念上も事務所とし て認識される程度の独立した形態を備えていることが必要です。また、事務所として使用する権原を有して いることが必要です。

と説明がありますが…今ひとつ分かりずらいので事務所のレイアウト図を抜粋して説明します。

 

引用元:東京都宅地建物取引業申請の手引き

 

事務所用の出入り口が必要なケース

向かって右側の図を見てもらうと分かるのですが玄関から入って居間や台所を経由して事務所に出入りするパターンです。

このような事務所のレイアウトの場合玄関とは別に事務所用の出入り口が必要になります。

 

生活動線の上に事務所があるケース

向かって右側の図ですが、これは台所や居室を通って事務所に行くパターンですが、これはNGです。

2つの図だけだと分かりずらいので埼玉県の事務所レイアウトの図を抜粋して、事務所として認められる⭕️と❌のケースを見て行きます。

参考埼玉県宅地建物取引業免許要件①事務所について

 

引用元:埼玉県免許要件①事務所について

ここでは(ア)から(ウ)までの事例が出てます。

⭕️:(ア)の事例(左側)であれば玄関を入って直ぐに独立したドアがある事務所があり、居室や台所とは分かれていてドアがあります。
❌:(ア)の事例(右側)にあるパターンは事務所へ行く動線が居住空間を通るので不可になります。

⭕️:(イ)の事例(左側)では玄関を入ると別々に居住空間と事務所があります。
❌:(イ)の事例(右側)では玄関を入ると事務所を通って居住空間に入ります。

※(ウ)の事例では居住空間と事務所をパテーション(180㎝以上)で仕切れば開業出来る可能性がありますが間仕切りには別途費用がかかるし、間仕切り後に許可がおりるとの確証がないのであまりオススメではありません。

具体的な間取りの事例と図解で解説されている「宅建業免許ネット」の記事は以下の参考から確認できます。

参考自宅での宅建業開業に求められる物件の間取りを具体的事例から徹底解説!

 

東京都の担当者に電話で問い合わせ

上記事例の(ア)の左側の事例をもとに、実際に東京都の不動産業部免許担当者に電話で問い合わせみました。

担当者の方曰く、「ケースバイケースなので事務所の平面図と写真を持参して直接来庁して相談して欲しい」とのことでした。

電話の印象としては、「申請の関する質問はアポなしで直接来庁してくだい」と言われたので気軽に一度行ってみようという気になりました。

東京都は事務所のレイアウトについては他の都道府県よりも基準が厳しいようで、写真の写し方の仕様まで厳格に決まっているようです。

参考東京都知事申請の事務所写真撮影について

 

開業に必要な設備と備品

事務所の設備や備品として必要なのは、

    1. 人分の机と椅子
    2. 応接セット
    3. 固定電話
    4. 鍵付きキャピネット
    5. コピー機とFAX

 

このリストの1〜3は備品として必要要件として、先ほど紹介した手引書に記載がありました。

この手引き書によると、

「継続的に業務を行うことができる施設を有する場所」とは、物理的にも社会通念上事務所と認識され る程度の形態を備えていることが必要と考えられ、テント張りの案内所など、移動の容易な施設等は事務所としては認められません。また、事務所内には、対面可能な応接セット(執務場所と明確に区別されていること)、従事する人数分の机・椅子を含む執務場所、固定電話(開通済)の設置が必要です。(参照P4)

 

手引書に1〜3までの記載がありましたが事務所として使うには当然コピー機とFAXや契約書や重要な書類をしまうキャビネットも必要なのでリストアップしました。

 

まとめ

東京都での宅建業の申請窓口は、東京都第二本庁舎3階③番窓口です。アポ無しで事務所の図面と写真を持参すると事務所兼自宅として許可されるのかアドバイスして頂けます。

事務所内には、対面可能な応接セット、従事する人数分の机・椅子を含む執務場所、固定電話(開通済)の設置が条件になっています。

契約書や重要書類を保管する鍵付きキャビネットやコピー機とFAXも実務には必要です。

都内で事務所を借りるとどんなに小さくても10万円前後はかかり年間120万円を固定費にかけるのはもったいないですよね。

事務所兼自宅ならば、家賃も節約出来て通勤時間もなく、お金と時間の有効活用が出来るのでおすすめします。

それにしても、現代のデジタル化が進む中で、固定電話の必要性は少し古風に感じられるかもしれませんね。

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