「80歳を超えても、20代の記憶力を持つ人がいる」のはご存知ですか?
そんな特別な高齢者、通称「スーパーエイジャー」が実際に存在します。
彼らはどのようにして若々しい脳を維持しているのか、どんな生活習慣をしているのか。
この記事で、スーパーエイジャーと呼ばれる人々の秘密と、その最新の研究結果を深堀りしていきます。
スーパーエイジャーとは
「スーパーエイジャー」という概念は、アメリカ、ノースウェスタン大学のEmily Rogalski博士によって提唱され、彼女の研究により、これらの高齢者の脳の特定の領域が若々しいことが明らかにされました。
スーパーエイジャー: 老いても脳の若さを保つ4つの秘訣
スーパーエイジャーは、80歳以上でも中年並みの認知機能を持つ人々です。 彼らの脳は、一般的な高齢者と比べて特質すべき特徴を持っています。
具体的に老いても脳の若さを保つ4つの秘訣とは?
チェックリスト
- 脳の若さの維持
- アミロイドβの蓄積
- 脳の特徴
- 問題解決時の脳の活動
脳の若さの維持
スーパーエイジャーの脳は、一般の高齢者が年間で約2.24%脳容積を減少するのに対して、約1.06%しか減少しないという研究結果があります。
アミロイドβの蓄積
脳の老化の要因として知られるアミロイドβの蓄積が少ない。これにより、アルツハイマー型認知症などのリスクを低減していると考えられます。
脳の特徴
脳の特徴として、大脳皮質が厚く、記憶に関連する「海馬」の萎縮が少ないことが、彼らの明瞭な記憶を支える要因となっています。
問題解決時の脳の活動
スーパーエイジャーは問題に取り組む際、脳の高次機能に関する部分も活発であることが確認されています。
スーパーエイジャーはアミロイドβの蓄積が少なく、これはアルツハイマー病の主要な原因として知られている要因です。
このアミロイドβの蓄積を減少させるための方法について、次の章で詳しく解説します。
アミロイドβの蓄積を防ぐための5つの方法
アミロイドβは、アルツハイマー病の主要な成分とするアミロイドプラークとして知られています。
このアミロイドβの蓄積は、①神経細胞の間の通信を妨げ、②炎症を引き起こし、③最終的には細胞の死を引き起こすと考えられています。
アミロイドβの蓄積を防ぐ5つの方法
- 健康的な食生活
- 適度な運動
- 良好な睡眠
- 認知的刺激
- ストレスの管理
アミロイドβの蓄積を防ぐ方法についての研究は進行中ですが、以下は一般的に提案されている5つの方法です。
健康的な食生活
抗酸化物質を多く含む食品やオメガ-3脂肪酸を摂取することが、アミロイドβの蓄積を減少させる可能性があると示唆されています。
適度な運動
定期的な身体活動は、アミロイドβの蓄積を減少させる可能性があると考えられています。
良好な睡眠
睡眠中に脳はアミロイドβを清掃すると考えられており、良好な睡眠習慣はアミロイドβの蓄積を減少させる可能性があります。
認知的刺激
脳トレーニングゲームや趣味、学習などの認知的活動は、アミロイドβの蓄積を減少させる可能性があると考えられています。
ストレスの管理
長期的なストレスはアミロイドβの蓄積を促進する可能性があるため、リラクゼーションや瞑想などのストレス緩和方法を取り入れることが推奨されています。
これらの方法は、アミロイドβの蓄積を完全に防ぐものではありませんが、リスクを減少させる可能性があると考えられています。
ここからは、実際の「スーパーエイジャーの生活習慣」について見てみましょう。
スーパーエイジャーに学ぶ: 記憶力を保つための生活習慣
「年齢はただの数字」というマインドセットを持つ
年齢は私たちの能力や可能性を制限するものではありません。それは単なる数字に過ぎず、
真の成長とは自分自身の限界を信じず、前に進むことにあります。
劇作家ジョージ・バーナード・ショーの言葉、「私たちは年を取るから遊ぶのをやめるのではない。遊ぶのをやめるから年を取るのだ」は、年齢に縛られず、常に好奇心を持ち続けることの重要性を示しています。
とは言え、加齢に伴い身体の衰えを感じると、ジョージさんのように前向きになることすら億劫になりますよね。
身体の変化を受け入れ、心の若さを保つ
とは言え、加齢に伴い身体の衰えを感じると、ジョージさんのように前向きになることすら億劫になります。
しかし、スーパーエイジャーの人々は、身体の変化を受け入れつつも、心の若さを保ち続けている人がいます。
例えば、 三浦雄一郎さんは、手足の麻痺がやリハビリを続けながら。88歳でエベレスト登頂を果たし、90歳を超えても新しい目標に挑戦し続けています。
また、90歳のマリー・ジョーンズさんは、視力の低下をきっかけに、絵画の趣味を始めました。
彼女は「視力が低下しても、心の目は鮮明であるべき」と語り、絵画を通じて心の健康を保つことの大切さを説いています。
日常の小さな挑戦が脳の活性化を促す
私たちが日常で感じる「大きな目標に挑戦するのは難しい」という制約。
それは経済的な理由や家族との関係、さらには年齢によるものかもしれません。
しかし、大きな挑戦だけが脳を活性化するわけではありません。日常生活の中での小さな変化や新しい挑戦も、脳にとっては十分な刺激となるのです。
例えば、筋トレの回数を増やす、普段の散歩を5分だけ延ばすなどの小さな挑戦。これらは、脳が新しい刺激に反応し、活性化するための手助けとなります。
実際、日常の小さな変化が脳の活性化に寄与することが、この研究で示されています。
次に、実際のスーパーエイジャーとしてイメージ出来る人々をご紹介します。
国内外のスーパーエイジャー90歳以上のセレブリティ
海外のスーパーエイジャー
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- エリザベス女王(96)イギリス史上最長在位の君主。90歳の誕生日を迎えても公務への意欲は衰えず、晩年まで積極的に取り組んでいた。
- トニー・ベネット(96)グラミー賞を特別功労賞生涯業績賞を含めて20回獲得した。
- クリント・イーストウッド(93)俳優、映画監督、映画プロデューサー
日本のスーパーエイジャー
- 瀬戸内寂静 (94歳) 詩人、作家として知られ、多くの文学賞を受賞しています。
- 日野原重明 (106歳)医師、実業家として知られ、日本の医療界に多大な影響を与えてきました。
- 三浦敬三さん(101歳):プロスキーヤー、ヴァレブランシュ氷河からのスキー滑降を成し遂げた
ここに登場した6人のスーパーエイジャーの人々は「小事を気にせず流れる雲の如し」ごとく人生を悠々自適に生きている感があります。
スーパーエイジャーの多い地域
イタリア・サルディニア島
世界で最も長寿の人々が住む地域として知られています。
サルディニア島の住民は、地中海式の食事、日常の運動、強固な社会的絆、そしてストレスの少ない生活を送っています。
これらの要因が、彼らの長寿に寄与していると考えられています。
コスタリカ・ニコヤ半島
この地域の住民は、豆類を中心とした食事、家族との強い絆、信仰心、そして日常の運動を継続しています。
これらの要因が、彼らの健康寿命を延ばしていると言われています。
日本・沖縄県
沖縄県は、日本で最も長寿の人々が住む地域として知られています。
沖縄の住民は、伝統的な食事、日常の運動、そして「もとぅばり(相互扶助)」という地域社会の絆を大切にしています。
これらの要因が、彼らの健康寿命を支えていると考えられています。
スーパーエイジャーの多い地域からも何となく想像出来ると思うのですが、以下の章では彼らの日常性生活やライフスタイルをまとめみます。
スーパーエイジャーの日常生活やライフスタイル
スーパーエイジャーたちの日常生活やライフスタイルは、彼らの長寿の秘訣と密接に関連しています。
以下は、世界の長寿地域の住民たちの日常生活やライフスタイルに関する情報です。
日常の運動
スーパーエイジャーたちは、日常の中で自然に運動を取り入れています。
例えば、農作業、家事、徒歩での移動など、日常生活の中で体を動かすことが多いです。
社会的絆
家族や地域社会との強い絆は、スーパーエイジャーたちの心の健康を支えています。
相互扶助やコミュニティ活動に参加することで、孤独感を感じることが少なく、精神的な安定を保つことができます。
食事
スーパーエイジャーたちは、バランスの良い食事を心がけています。
特に、野菜や豆類を中心とした食事が多いです。また、適度な食事量を心がけることで、過度な摂取を避けています。
ストレスの管理
スーパーエイジャーたちは、ストレスを感じることが少ない生活を送っています。
瞑想や深呼吸、自然との触れ合いなど、リラックスする時間を持つことで、心の健康を保っています。
関連するリンク:
総括:スーパーエイジャーの生き様とその背後にある科学
スーパーエイジャーは、その高齢にもかかわらず、若者並みの記憶力と認知機能を誇る特別な人々です。
彼らの存在は、年齢とともに脳の機能が衰えるという一般的な考えを覆すものであり、近年その研究が注目されています。
この記事では、スーパーエイジャーの脳の特性や彼らの生活習慣、日常の活動に焦点を当てています。これが読者の理解の手助けとなれば幸いです。
最新の研究によれば、私たちも一定の努力や習慣を取り入れることで、スーパーエイジャーに近い脳の健康を維持することが可能です。
年齢はただの数字。その数字に囚われず、自分の可能性を信じ、新しい挑戦を続ければ、健康で充実した老後が待っているかもしれません。