睡眠不足は、私たちの日常生活において非常に一般的な問題です。
しかし、多くの人々がその重要性を過小評価しており、その結果、健康と生活のさまざまな側面に深刻な影響を与える可能性があります。
本記事では、睡眠不足が引き起こす潜在的なリスクと、健康な睡眠習慣の重要性について詳しく探っていきます。
睡眠不足が招く弊害と睡眠の質を上げる方法
- 睡眠不足は体重増加につながる
- 睡眠不足は食欲を増大させる
- 睡眠不足は集中力を低下させる
- 睡眠不足は運動能力を低下させる
- 睡眠不足は成人病リスクが高い
- 睡眠不足は2型糖尿病リスク
- 睡眠不足は免疫機能を下げる
- 睡眠不足は炎症の増加につながる
- 睡眠不足は感情表現を低下させる
- 睡眠の質を上げる方法とは⁉
- 寝る3時間前に夕食を済ませる
- 睡眠の質を上げる温かい飲み物
- 睡眠の質を上げるぬるま湯入浴
- 睡眠の質を上げる音楽を聴く
- 睡眠の質を上げる休日過ごし方
- 睡眠の質を上げる心地よい空間
- 睡眠の質を上げる寝具選び
- 軽い運動をする
- 体内時計を調整する
睡眠不足が招く弊害と睡眠の質を上げる方法
良質の睡眠は、健康のために非常に大切で、健康的な食事や運動と同じくらい重要です。
しかし残念なことに、現在の生活リズムは自然な睡眠パターンを妨げる要素がたくさんあります。
ハッキリと言えることは、現代人は一昔前の人に比べて睡眠時間が短くなり、睡眠の質も低下していると言うことです。
それでは具体的に睡眠不足による9つの深刻な弊害について見てみましょう。
睡眠不足は体重増加につながる
睡眠不足は体重増加の要因と関連しています。
睡眠時間が短い人は、睡眠時間が長い人に比べて、体重が増加する傾向があることが研究で分かっています。
実際、睡眠時間の短さは肥満の最も強い危険因子の1つです。
ある研究では、睡眠時間が短い子供と大人は、それぞれ89%と55%の確率で肥満を発症していました。
- 睡眠時間が短い子供 89%
- 睡眠時間が短い大人 55%
の肥満発症率です。
睡眠が体重増加に及ぼす影響は、ホルモンや運動へのモチベーションなど、多くの要因があると考えられています。
なので、体重を減らすなら、質の高い睡眠は絶対条件と言えます。
ポイント
睡眠時間の短さは、子どもと成人の両方で体重増加や肥満のリスクの増加と関連しています。
睡眠不足は食欲を増大させる
研究によると、睡眠不足の人は食欲が旺盛で、より多くのカロリーを食べる傾向があるようです。
睡眠不足は食欲ホルモンの活動を乱し、食欲を調節する機能に不良を引き起こすと考えられています。
これには、食欲を刺激するホルモンであるグレリンのレベルが高くなり、食欲を抑制するホルモンであるレプチンのレベルが低下することが原因だと分かっています。
ポイント
睡眠不足は食欲を調節するホルモンに影響を与えます。十分な睡眠をとっている人は、とっていない人に比べてカロリーが少ない傾向にあります。
睡眠不足は集中力を低下させる
睡眠不足は脳の生産性を低下させます。
睡眠不足によって悪影響を受けるものとして、
- 認知
- 集中力
- 生産性
- パフォーマンス
などが含まれます。
医療研修医を対象とした研究では、
24時間以上の長時間労働で働いた研修医は、普通の睡眠をとった研修医よりも36%も多くの重大な医療ミスを犯すとピリポートがあります。
別の研究では、睡眠不足は脳の反応にアルコール中毒と同じような悪影響を与えることがわかっています。
ポイント
良質の睡眠は、問題解決能力を最大限に高め、記憶力を高めますが、睡眠不足は脳の機能を損なうことがわかっています。
睡眠不足は運動能力を低下させる
睡眠不足は運動能力を低下させることが分かっています。
バスケットボール選手を対象とした研究では、睡眠時間が短いと、
- スピード
- 正確性
- 反応時間
などの運動能力が落ちるることが分かっています。
また、睡眠時間が短いと、高齢女性の運動パフォーマンスの低下や機能的制限との関連性も指摘されています。
2,800人以上の女性を対象とした研究では、睡眠不足は歩行の遅さ、握力の低下、自立した活動の困難さと関連していることが明らかになりました。
ポイント
睡眠時間が長くなることで、運動能力や身体能力の向上が多く見られるようになりました。
睡眠不足は成人病リスクが高い
睡眠の質は、多くの成人病リスクになり心臓病などの慢性疾患を引き起こす要因と考えられています。
睡眠不足の人は、毎晩7~8時間睡眠の人よりも心臓病や脳卒中のリスクがはるかに高いことが分かっています。
ポイント
1泊7~8時間未満の睡眠は、心臓病や脳卒中のリスクの増加と関連しています。
睡眠不足は2型糖尿病リスク
睡眠不足は血糖値に影響し、インスリン感受性を低下させることが分かっています。
健康な若い男性を対象とした研究では、1日4時間の睡眠制限を6夜連続で行った結果、糖尿病に似た症状が引き起こされました。
これらの糖尿病に似た症状は、睡眠時間をもとに戻した1週間後に解消されました。
慢性的な睡眠不足は、血糖値への悪影響にも強く関連しています。
1日6時間未満の睡眠時間の人は、2型糖尿病のリスクが高いことも分かっています。
ポイント
睡眠不足は、健康な成人でもわずか6日で糖尿病を引き起こす可能性があります。
多くの研究で、睡眠時間と2型糖尿病との間に強い関連性があることが示されています。
睡眠不足は免疫機能を下げる
睡眠不足は免疫機能を損なうことが分かっています。
ある研究では、被験者にかぜウイルスを与え発症をモニターしました。
彼らは、7時間未満の睡眠時間の人は、8時間以上の睡眠時間の人に比べて、風邪を発症する可能性がほぼ3倍高いことを発見しました。
かぜをよくひく人は、少なくとも8時間の睡眠時間を確保することが大切ですね。
ポイント
最低でも8時間の睡眠をとることで、免疫機能が向上し、かぜを発症しずらくなります。
睡眠不足は炎症の増加につながる
睡眠は体内の炎症に大きな影響を与えます。
実際、睡眠不足は、炎症や細胞損傷の望ましくないマーカーを活性化することが知られています。
睡眠不足は、炎症性腸疾患において、消化管の長期的な炎症の原因になっています。
ある研究では、睡眠不足のクローン病患者は、よく眠れた患者の2倍の確率で再発することが報告されました。
ポイント
睡眠は体の炎症反応に影響を与えます。
睡眠不足は炎症性腸疾患と関連しており、病気の再発リスクを高める可能性があります。
睡眠不足は感情表現を低下させる
睡眠不足は、社会的に交流する能力を低下させます。
ある研究では、睡眠不足の人は怒りや幸福の表現を認識する能力が低下していることがわかりました。
研究者は、睡眠不足は、重要な社会的合図を認識し、感情的な情報を処理する能力に影響を与えると考えています。
ポイント
睡眠不足は社会性を低下させ、人の感情表現を認識する能力を低下させる可能性があります。
参考:「睡眠こそ最強の解決策である」ビル・ゲイツ推薦 人生を今すぐ変える唯一の方法
睡眠の質を上げる方法とは⁉
寝る3時間前に夕食を済ませる
就寝時には消化活動が終わっていることが理想的です。
同じ睡眠時間でも、眠りが浅くなったり疲れが抜けにくくなったりします。
食事後すぐに寝てしまうと、体は消化活動を優先するため、内臓が休息する時間が短くなります。
また、質のよい睡眠のためには、体を温める食事を選びましょう。
人は高い体温が下がるときによく眠れます。
例えば、唐辛子に含まれているカプサイシンには、体温を上げた後に下げる作用がありますので、そういった食材を選びましょう。
ポイント
帰宅から就寝までの時間がどうしても短い時は、消化の良いスープなどを少しだけ食べるようにして下さい。
睡眠の質を上げる温かい飲み物
温かい飲み物は、内臓から体温上昇を促します。
体温が下がり始めるときに自然な眠気がおきるので、睡眠前のリズムをつくるのにおすすめです。
安眠効果を高めるためにノンカフェインのものを選びましょう。
特におすすめするのは以下の3つです。
- 白湯
胃腸に負担をかけずに体を温める - 生姜湯(しょうがゆ)
体を温める効果のある生姜で体を温めてる - カモミールティー
ヨーロッパで古くから不眠症対策に使われてる
寝酒として、よく言われるアルコールですが、実際には睡眠が浅くなります。
利尿作用によってトイレに行く回数が増えるため、ぐっすりと眠る妨げになる場合もありますので飲みすぎには注意しましょう。
ポイント
コーヒーや紅茶、緑茶、栄養ドリンクなど、カフェインを含む飲食物は、入眠や深い睡眠の妨げとなります。
睡眠の質を上げるぬるま湯入浴
ぬるま湯は体をじっくり温めることで、緊張をほどきリラックス効果を期待できます。
入浴はシャワーですませるのではなく、38度くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかるのが効果的です。
リラックス効果が得られるだけでなく、高くなった体温を放熱しようと血管が開くことで、副交感神経が優位になります。
そして血流のよくなった四肢から熱が逃げていき、体温が下がることで寝付きやすくなります。
熱めのお湯に長く入ることは体の覚醒を誘ってしまうため、就寝に必要な体温変化を得にくくなります。
風呂上がりに手首や足首を伸ばすといった軽いストレッチを行うことも、質のいい睡眠の後押しとなります。
ポイント
高温のお湯は体の負担をかけるので、約38度のぬるま湯に5~30分つかるのがベストです
睡眠の質を上げる音楽を聴く
ヒーリングミュージックと呼ばれる、副交感神経が優位になる音楽はリラックス効果が期待できます。
川や海などの水のせせらぎ、クラシック音楽など気に入ったものを見つけてみましょう。
睡眠の質を上げる休日過ごし方
寝たはずなのに疲れが抜けていない、眠気が取れていないと感じたときは要注意です。
休日には2度寝、3度寝と繰り返し、夜眠れなくなるようなサイクルになると体内時計のリズムを崩します。
ウィークディに睡眠不足のまま朝早く起きなければならなくなると、さらに疲れが抜けにくくなります。
そんな時は、15分〜30分位の昼寝をして体内時計のリズムを戻すようにします。
注意ポイント
ただし、昼が長過ぎると夜眠れなくなり逆効果になるので注意が必要です。
睡眠の質を上げる心地よい空間
室温や湿度を季節に応じて調整しましょう。
暑すぎたり寒すぎたりして体温調節がうまくいかないときは寝つきが悪くなることが多くあります。
また、部屋の明るさは不安にならない程度に暗くしましょう。朝の光とのコントラストがあるほど覚醒しやすくなります。
睡眠の質を上げる寝具選び
就寝中の発汗、温度変化に対応できるよう吸湿性・放湿性の良いものに加え、体型に合ったものを選びましょう。
体のS字カーブ(後頭部~首・胸、胸~腰)がバランスよく支えられるものが快眠につながります。
枕の高さ
起きたときに首や肩が凝っている、胸の筋肉が張るなど筋肉の緊張が取れていないときは、枕と頸椎のカーブが合っていないかもしれません。
好みの高さでも、実は体に合っていないことも多くあります。専門店で自分の首のカーブの角度を計測してもらいましょう。
敷き布団(ベットマット)の硬さ
体に対して、柔らかすぎると腰痛の原因になり、硬すぎると骨が当あたって痛く感じたり、血流が悪くなってかえって寝つきが悪くなったりする原因になります。
実際に店頭で寝て試したり、短期間のレンタルサービスなどを利用して、適度な硬さを持ったものを選びましょう。
軽い運動をする
軽い運動は夕食後1時間以上たっていて、床に就く2時間以上前までに行うといいでしょう。
適度な疲労感は、睡眠のよきパートナーになります。
注意ポイント
寝る直前に運動すると体温が高くなりすぎ、寝付くことが難しくなりますから注意が必要です。
体内時計を調整する
人間の体内時計は、1日の24時間ではなく最新の研究では24時間11分と発表されています。
たった11分と思うかもしれませんが、放っておくと1週間で1時間以上、1カ月にすると4時間以上もずれてしまうことになります。
これをリセットして24時間と合わせることで、生活のリズムが生まれます。
そして夜になったらメラトニンという睡眠をうながすホルモンが分泌されるため、質のいい睡眠も可能になります。
step
1体内時計をリセットするために必要なことは?
step
2朝起きたときに太陽の光を浴びる
これにより体内時計の「親時計」を目覚めさせることができます。
しかし体の奥深くにある「子時計」には光が届きません。
step
3子時計も目覚めさせるために、食事を摂る
太陽を浴びてから、あまり時間をおかずに朝食を摂ります。
まとめ
『睡眠不足が招く 深刻な弊害と睡眠の質を激上げる方法とは⁉』のまとめです。
睡眠不足による深刻な弊害は以下の9つあります。
- 睡眠不足は体重増加につながる
- 睡眠不足は食欲を増大させる
- 睡眠不足は集中力を低下させる
- 睡眠不足は運動能力を低下させる
- 睡眠不足は成人病リスクが高い
- 睡眠不足は2型糖尿病リスク
- 睡眠不足は免疫機能を下げる
- 睡眠不足は炎症の増加につながる
- 睡眠不足は感情表現を低下させる
次に、睡眠の質を上げる方法は以下の8つです。
- 寝る3時間前に夕食を済ませる
- 睡眠の質を上げる温かい飲み物
- 睡眠の質を上げるぬるま湯入浴
- 睡眠の質を上げる音楽を聴く
- 睡眠の質を上げる休日過ごし方
- 睡眠の質を上げる心地よい空間
- 睡眠の質を上げる寝具選び
- 体内時計を調整する
睡眠不足の兆候があれば1週間以内に不足した睡眠を取り戻して下さい。
よく週末に寝溜めする方がいますが、基本的に人間の身体は寝溜めするように出来ていません。
睡眠が不足していると感じたら出来るだけ早く解消して下さい。
良質の睡眠をとるために寝る前に食べないで出来るだけ手足を暖かくしリラックスしてねるようにして下さい。
栄養や運動と並んで、良質な睡眠は健康の柱です。